8月出荷分修理受付終了のご案内

 

いつも西村音響店をご利用いただきまして誠にありがとうございます。

7月16日(月・祝)より開始いたしました、8月出荷分の修理受付は受付台数に達しましたため、受付を終了いたしました。

誠にありがとうございました。

 

次回の受付につきましては、当サイトにてご案内の予定でございます。

この度、お受けできなかったお客様には誠に申し訳ございませんが、次回ご依頼くださいますようご案内申し上げます。

50年前のオープンリール。SONY TC-102がリサイクルショップに。


 

こんにちは、西村音響店の西村です。
いつもご覧いただき、ありがとうございます。

 

今回もカセットデッキ…ではなく、オープンリールのご紹介です。
いつもはカセットデッキを扱っていますが、同じテープデッキの仲間でもありますので、少し紹介してみたいと思います。

そのオープンリールデッキは、ソニーのTC-102。半世紀前の製品で、アンプにトランジスタではなく真空管が使われているという、ノスタルジックなデッキです。

やっぱり古い製品には興奮してしまいます。

 

隅っこに置いてあったTC-102。

 私用で名古屋へ出かけた時に、とあるリサイクルショップに立ち寄りました。とても暖かい雰囲気で、よくあるリサイクルショップのようなガラクタがあちらこちらに並べられているような雰囲気ではなく、販売商品でインテリアを組んでいて、まるで家の中に居るようでした。店内を順番に見て回っていると、隅っこにSONYと書かれた機械がポツンと置いてありました。

 

「なんだろう。カセットデッキにしては、形が珍しいしSONYのロゴが古い。」

 

値札を見てみると、

 

「オープンリールデッキ?…オープンリールか…」

 

 カセットデッキの世界には踏み込んでいる僕でも、オープンリールの世界は全くではありませんが、殆ど無知に近いです。どの型番が高級で性能がいいのかも、よく分かりません。

 値段は4,800円。しかし、動くかどうか分からないですし、カセットデッキは修理できても、オープンリールの修理はまた別でしょうから、買うかどうか店内をもう一周しながら考えました。カセットだったらほぼ修理出来る自身があるので、壊れていようが関係ありませんが、オープンリールは知識が浅いので、即決はできませんでした。

 カセットデッキのジャンクに手を出し始めたころの自分に戻ったようでした。スマホで、デッキの型番を検索して、自分でも修理できるのか必死に調べて、買うと決めるまでに数十分かかっていたりしました。決めるまで店内をウロウロしていた始末です。懐かしいです。

 考えた挙句、買うことにしました。やっぱり古いデッキを拾ってあげたいという気持ちがありました。調べてみると、どうやら真空管のオープンリールで、だいたい50年前の物とのこと。

 アンプに真空管が使われているデッキなんて、初めてです。

※一応補足ですが、カセットデッキなどによく使われているディスプレイは、広い意味で真空管です。


 
 

付属品も一式揃ったTC-102。

 カバーを開けると、電源コード、取扱説明書、マイク、ソニーオイル、貴重な付属品が姿を現します。ここまで揃っているのには驚きました。だいたい説明書は無くなっていることが多いですし、50年前の説明書は凄く貴重な資料ではないでしょうか。目を通してみると、現代とは少し雰囲気の違って時代を感じさせる日本語の文章と、イラストだけではなく写真も使って丁寧に説明にされていました。一番ギャップを感じたのが周波数の単位。普通はヘルツ〔Hz〕を使いますが、当時はサイクル〔c/s〕が使われていました。

 付属品の中にソニーオイルというものが入っていますが、これは可動部分へ定期的に注ぐ油だそうです。説明書にも定期的に自分で注油してくださいという風に書かれていました。この時代は、ユーザーがただ使うだけではなく、メンテナンスまで行うことが求められていたのではないでしょうか。

それでは、動作させてみましょう。

 


電源コードを差し込みます。60c/s専用なので、西日本でしか使えません。50c/sの東日本で使うには、部品交換が必要と説明がありました。
 


電源スイッチを押すと、
 


パイロットランプが点灯し、モーター音が唸りを上げます。
 

真空管は暖気が必要という話なので、電源を入れて暫く放置しておかなくてはならないようです。

10分くらい置いてみたところで、再生してみましょうか。
 

「たしか、爺さんのオープンリールがあったはず…」
 

押し入れを探してみると、ありました。

慣れない手つきで、テープをセット。

さて、音は鳴るのでしょうか。

 

 

ボリュームに少しガリがあるものの、50年も経っているのによく動きますね。

 元々壊れにくい構造になっているのか、それとも修理されているのかわかりませんが、普通に再生出来ちゃいます。オープンリールに無知な僕は、半ば奇跡的だと思ってしまいますが、詳しい方からしたらいかがでしょうか。いずれにせよ、廃棄されなかったのは、このデッキにとって幸運だったことでしょう。

 スピーカー内蔵というところが、ラジカセに近いところがありますね。しかもコンパクトなので、電源さえあればどこでも聞ける。祖父が日本舞踊の先生だったので、もしかしたら昔はこういったプレーヤーが稽古の時に使われていたのかもしれません。

 少し話が逸れますが、稽古にカセットテープが便利という話を耳にしたことがあります。今日であれば曲中の聞きたい部分へ瞬時に飛ぶことができるデジタルプレーヤーの方が便利でしょう。しかし、カセットを使い慣れた方はカセットの方が直感的で使いやすいとおっしゃる方も少なくないと思います。感が良い人だと、途中から始めたい部分を一発で当てれるかもしれませんね。何回もやっているうちに、自然とコツを掴んでしまうのではないでしょうか。一方でデジタル機器は、あれもこれも押さなきゃいけなくて、煩わしい部分があるかもしれません。聞きたいアルバムや曲を選ぶのに、何回ボタンを押せばいいのか。カセットなら、入れて再生を押すだけですから、かえって便利で簡単ですね。

 

おわりに

 今回は、半世紀前のオープンリールデッキを紹介してみましたという内容でしたが、いかがでしたでしょうか。

50年前のテープデッキにも関わらず動作可能な状態で入手でき、初めてオープンリールを再生するという体験が出来ました。

たまに動かしながら、大事に大事に動態保存をしていきます。これから先、何年音を鳴らし続けられるか楽しみですね。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。