SONY TC-KA3ESの改造 メカ動作高速化









今回は、独立懸架型ヘッドを搭載したSONY TC-KA3ESを取り上げます。

始めに、これまで改造した箇所をまとめますと、

1、コンビネーションヘッド→独立懸架型ヘッドへの交換

2、リールモーター交換

3、カセット挿入検出スイッチ無効化(常に導通状態)

以上の3点が大きな項目になります。

今回行うのは、メカの高速化です。ESGシリーズから搭載された、新型のサイレントメカは、静かななのはとても良いですが、再生ボタンを押してから音が出るまでタイムラグがやや大きく、旧式のメカより鈍くなってしまいました。

そこで、メカを動かすモーターの電圧を上げて、高速化ができないかの実験です。

相変わらず、メカの不具合が多いです。もうこれだけ多いと、移植した方が効率がよく感じますが、修理としての移植は最終手段ですので、まだ行いません。よくヘッドが上がらりきらない症状がありましたが、これは、キャプスタンとローラーの密着力を強めるために、ローラーにあるレバーの部分を少し削りましたが、削りすぎたことが、大きく影響していました。巻き取り側のローラーを外すと、スムーズにヘッドが上がります。ここの補修も必要になりそうです。完全にヘッドが上がらないほどにはなっていませんので、難ありの状態として割り切る分には使えます。

さて、本題であるメカの高速化ですが、ESGシリーズから搭載された新型サイレントメカは、その名のとおり、動作音の静かさが特徴ですが、モード切替時のタイムラグが少し長く、レスポンスは旧式メカより劣る欠点があります。

そこで、カム(モード切替)用のモーター電圧を上げて、動作がすばやくなるようにしてみました。今回詳しい解説は割愛して、別にご紹介したいと思いますが、メカ動作はシステムコントロール回路(通称シスコン)から、モーターに電力が供給されて動作します。つまり、シスコン部分にあるモーター駆動回路を弄ってあげれば、電圧を調整することができます。ただ基板の回路パターンを読み取らなければならないので、少し電子回路の知識が必要です。

 


キーポイントは矢印で指している部分です。早速ですが、電圧を上げて高速化したメカの動作をご覧ください。扉の開閉は、リールモーターを兼用しているため、テープ保護のためにも電圧は上げていませんが、カセットがセットされて、音が出るまでの時間に注目していただきたいと思います。



今回の改造の詳しい内容は、別回でご紹介いたします。回路図の読み取りと、電圧の計算がありますが、高校物理程度の知識があれば、比較的簡単かと思います。

SONY TC-K555ES BSLグリーンモーター駆動回路の修理

 

今回のご紹介は、1982年のSONY TC-K555ESです。

少し前に再生速度が不安定になるという症状に対処した様子です。このTC-K555ESは、キャプスタンモーターにBSLグリーンモーターを採用しています。

同モーターは、ブラシレスながらコンパクトな設計であり、高級機種のTC-K777、TC-K666ESには、リールモーターにまで、同モーターが採用されました。

ブラシレスなので、通常のDCモーターのように、ブラシの磨耗の心配がありません。ですが、今回ご紹介のTC-K555ESは、BSLモーターから異音がしていました。

こちらがBSLグリーンモーターの駆動回路です。再生速度が不安定といったらベルトの劣化が、先に疑われますが、不調部分は、差動増幅を行うオペアンプでした。

手で触って確認すると異様に熱く、オペアンプとしては異常な温度でした。また端子を触ると、異音がさらに大きくなりました。その後、オペアンプを新品に交換すると、異音がおさまりました。

異音を発するBSLモーターの様子を動画に録っておきましたので、音に注目してご覧ください。




 

正常になったBSLモーターがこちらです。




ブラシを使用していない点では、物理的な故障の心配が少ないです。今回ご紹介したように、電気的故障でも交換部品があれば、保守性で大変有利になります。

最上位のTC-K777は、ブラシ付きモーターを一切使っていないことから、とても信頼性の高いメカになっています。ソニーの型番に7が付いた最高級カセットデッキで、777派の方、KA7ES派の方、それぞれいらっしゃると思います。私はメカの信頼性の面から777派ですが、KA7ESも是非1度は使ってみたいところです。

以前にKA3ESを旧い独立懸架ヘッドに換装しましたが、KA7ES+独立懸架ヘッドで組み合わせたらどうなるのでしょうね。音的にはソニー最強の音になるのではないでしょうか(笑)