TASCAM 112MKⅡ

 

 

 TASCAMの2ヘッド方式を採用したベーシックグレードのカセットデッキです。

 112MKⅡの魅力は、針式のVUメーターです。1990年代のカセットデッキとしては珍しく、プロフェッショナルな雰囲気を感じさせます。

 程よく高音域が伸びるので、2ヘッドながら優秀な性能を持っている1台です。

 


 

よくある故障 その1 <ギヤが割れて、再生できない。>


 よくある故障が、テープが再生できず、緑・橙・赤のランプが点滅する症状です。メカにある歯車が壊れてしまうことにより、動作ができなくなってしまいます。

 112MKⅡに限らず、同じ時期に発売された112R MKⅡや122MKⅢでも起きる故障です。故障の流れとしては、歯車の軸には潤滑用のグリースが塗られており、これが経年で硬くなっていきます。硬くなったグリースが抵抗となって、歯車が回りにくくなります。すると、正常なときよりも大きな負荷が掛かってしまい、ついには割れてしまって故障するのです。

 


 壊れた歯車は、代替できるものを使って修理します。

 幸いにも使える歯車があります。もしこの症状で故障している場合は、ぜひ廃棄せず、大事にしてあげてください。壊れた状態でも価値は十分あります。

 

 

よくある故障 その2 <ベルト切れて、再生できない。>


 
 経年劣化でベルトが切れ、キャプスタンが回らずに再生できない、という故障もあります。

 もし、緑・橙・赤のランプは点滅しないが再生ができない、という場合はベルト切れの可能性が高いでしょう。ベルト切れと言うよりかは、どろどろと溶けていると表現した方が近いかもしれません。溶けたベルトが、キャプスタンのフライホイールと、モーターのプーリーに溶着してしまうので、きれに吹き掃除してから組み立てます。

 

基板を取り外し中… <電子部品交換に向けて>


 電子部品の中でも劣化しやすいのが電解コンデンサーです。交換のため、本体から基板を取り外しています。
 

メカを分解すると・・・


 業務用ということで、中の構造が複雑そうに思うかもしれませんが、実はそれほど難しくありません。TEACとTASCAMは同じメーカーではあっても、ベツモノです。
 

ボタン交換中。


 ボタンは新品に交換します。交換しなくても大丈夫そうに思えるかもしれませんが、年月とともに劣化します。

劣化すると、押しても反応しにくくなることがあります。ボタンの中の電流が悪くなるためで、コンピューターに正しい信号を送れなくなります。すると、ボタンは押していないと判断し、操作を受け付けてくれません。

 ほかにも、押しても違うボタンが反応する症状が出ることもあります。ボタンの信号を伝える回路の違いで、出る症状が異なりますが、どちらにしても新品への交換がおすすめです

 

 こちらはカウンター表示の近くにあるボタンです。リピート再生や、カウンター0000に戻すReturn To Zero機能のボタンがここにあります。

 

こんな動作チェックもします。

 こちらは、モーターに電源を直接つなげて、部品の動きをみる確認です。

 本体に取り付ける前にこの確認をすることで、組立てミスを早く発見することができます。電圧を変えることで、動作のスピードも調整することができます。

 

 次はリール用のモーターに電源を接続して、早送りのチェックです。

 電圧を調整すれば、スピードを自由自在にコントロールできます。単なるお遊びだけではなく、回転して異音が出ていないかをチェックする大事な確認項目です。