ベータマックス SL-HF900 メカのオーバーホールに成功 (3/3)

 

その2からの続きです)

全部品の取り外しを終えて、いよいよ掃除をしながら元通りに組み立てていきます。

スライダギヤなどの摺動部分には、下塗りとしてシリコーンスプレーを塗っておきます。吹きつけるだけではなく、万遍なく液を塗ります。

 

その後に、シリコーングリースを塗って取り付けます。グリースの種類は高価ですがシリコーンが一番良いです。クッションのような効果もあり、動作音も静かになります。金属用として二硫化モリブテングリースがありますが、時間が経つと個体になって固まってしまいます。メカによっては、このグリースが固まっているのを見ます。

 

巻き取り側のガイドポストも外して掃除します。ここも良く回転が鈍くなりますので、まずエタノールで拭き掃除をし、シリコーンスプレ―の液を塗ります。

 

ローディングギヤです。シャフトストッパーを外すとギヤが外れます。一番大きいギヤに固まったグリースが付着していますので拭き取ります。シャフトも、先ほどのガイドポストと同様に、エタノールとシリコーンスプレーで潤滑します。グリースが付いていた部分には、シリコーングリースを塗ります。

 

プランジャーも同様に潤滑します。

 

供給側のエンドセンサーの部分です。金属の部品に、スライダギヤに合わせて回転する小さな回転部分がありますので、ここの潤滑も忘れないようにします。樹脂部分も汚れを拭き取っておきます。

 

キャプスタンの清掃です。ここはカセットデッキと同じように、エタノールで拭きます。

 

ローディングモーターの部分も点検しておきます。分解すると中が遊星歯車になっています。これもベータマックスの特徴的な部品の一つです。少しグリースを塗っておくと、動作音が静かになります。

固定ヘッドの掃除と、ガイドポストの清掃です。ここはエタノールのみです。テープが接触する部分に関してはエタノールのみ、機械的な摺動部分はエタノール+シリコーンです。

リール台のユニットも、全て拭き掃除を行って綺麗になりました。写真に記録するのを忘れていましたが、リールブレーキも新しいウレタン製に交換しています。

 

スライダギヤを取り付けていきます。ここでネックとなるのが、ギヤの位相(かみ合わせ)です。ずれると非常に危険ですので、事前のマーキングが重要です。

 

モーターを取り付ける前に手でギヤを動かしてみて、ずれていないか確認します。

OKであればモーターと、ソレノイドを取り付けます。エンドセンサー、固定ヘッドなども取り付けていきます。更にここでもモーターのギヤを手で回して、再度ギヤのずれが無いか入念に確認します。

 

リール台を取り付けました。もうすぐ完成です。

 

最後に回転ヘッドを取り付けます。

 

完成しました。しかしここで安心は出来ません。実際に配線を接続して、正常に動作するか確認できるまで気が休めません。

オーバーホール後の動作がこちらになります。イジェクト部分はこの段階では、まだ行っていませんが、より快調に動くようになりました。


ボタンが劣化しているようで、イジェクトボタンで電源OFFになってしまう症状が出ていますが、こちらもボタンの交換で対応します。

今後ベータマックスのメンテナンスも、カセットデッキと同様にオーバーホールを標準にする計画をしています。オーバーホールは、機器の延命に非常に有効ですので、是非行って1日でも長く動作できるようにしたいものです。

 

ベータマックス SL-HF900 メカのオーバーホールに成功 (2/3)

 

その1からの続きです)

メカを降ろすことに成功しました。前置きが長くなって申し訳ありませんでしたが、ここから本題のオーバーホールが始まります。

 

まずはローディングギヤ、モーターの取り外しです。ネジを外して、引き抜くだけですので比較的簡単です。

 

ソレノイドを外しました。シャフトストッパーが幾つかありますので、外すときにどこかへ飛ばさないように、慎重に外します。ソレノイドもネジで留まっているだけです。鉄心を干渉を上手く避けるのがポイントです。

 

固定ヘッドを取り外しますが、テープパスを決めているネジを外すことになるので、ある程度のネジの締め具合を画像で記録しておきます。細かい調整は、自力で行います。

こちらは全幅消去ヘッドです。こちらも同様に外します。締め具合も記録しておきます。

 

固定ヘッドの取り外しに成功しました。ガイドポストの部分も清掃を行うので、後で更に分解します。

 

続いてはスライダギヤの取り外しです。樹脂製のレールのような物?を外します。ネジで留まっていますが、裏からもラッチでロックされています。とれも強度が弱く簡単に折れてしまいそうで、力技は厳禁です。

 

巻き取り側のガイドポスト、ピンチローラーがあるスライダギヤを外しました。こちらは、奥側へスライドさせて引き抜くことができます。

 

一番メインのスライダギヤです。これがベータマックスの一番特徴のある部品でしょう。取り外しの時に、細かい部品が幾つか付いていますので、こちらも外します。

 

ローディング機構が無くなると、供給側のエンドセンサーと、ローディングの完了を検出するスイッチが取り外せます。たいぶ部品が無くなってきました。残りは、リール台とキャプスタンモーターなど、裏から作業を行います。

 

リール台とモーターのユニットを外しました。だいぶ汚れてしまっていますが、こちらも更に分解します。

 

キャプスタンのユニットも外します。表からネジで留まっていますが、スプリングが噛まされているので紛失しないように注意です。

 

リール台の部分は、このようにどんどん外していきます。

その他の部分も、細かいところまで分解していくと、さて気になる構成部品の数は…

 

カセットデッキの2倍以上はあるでしょう。もっとあるかもしれません。何より細かい部品が多いので、組立ても難易度が高いです。

ここまで分解して、ここから1つ1つ部品を掃除と潤滑を行いながら、元通りに組み立てていきます。元に戻すのは基本的に逆の手順で大丈夫ですが、メカの構造を予習しておかないと混乱する恐れ大です。

その3へ続きます)