A&D GX-Z7100EX


 

 

 GX-Z7100から1回目のモデルチェンジをして1989年に登場したのが、このGX-Z7100EXです。

 7100EXになっても大きな変化はなくマイナーチェンジ程度で、例えばスタビライザーが7100では平ら状になっていたものが凸凹状のものに改良されたほか、アンプの回路でアース(グランド)の取り方が改良されているくらいになるかと思います。それ以外は基本的に7100と同じと思って大丈夫です。

 先代のGX-Z7100と同じく、15㎝という厚みのあるボディが特徴です。これは電子回路基板1枚1枚に個室を設ける、「セパレートブロック・コンストラクション」という構造を採用しています。この構造が効果をもたらすのは特にアンプ部分で、むき出し状態だと、外部から電磁波の影響を受けてノイズが混入します。カセットデッキは、磁気ヘッドで拾った微弱な信号を扱うので、ノイズ源となる電磁波は大敵です。

 GX-Z7100EXに搭載されている機能は、先代のGX-Z7100と同じで、複数曲スキップする機能、再生ボタンを長押しすると1/2の速度で再生する機能、A地点B地点を設定して区間再生する機能、録音中の曲をやり直すのに便利なレックキャンセル、ディスプレイの消灯機能など、変わらず使えます。録音/再生ヘッドには、引き続き摩耗に非常に強いスーパーGXヘッドが採用されています。

 これが一つ後輩のGX-Z7100EVになると、部品を大きく変えてきます。中でもヘッドがコンビネーション型から独立懸架型に変わる点が一番大きいでしょうか。同じスーパーGXヘッドでも、7100EVになってさらに改良されます。

 一つ上の機種にあたるGX-Z9100EXは、キャプスタンの回転にクォーツロックを使用しているほか、基板の個室の仕切りを銅メッキにして、ノイズの抑制効果を高める工夫がされています。アンプも7100EXよりイイ回路になっており、ワンランク上の音質です。さらに、横に光沢のある木の板(サイドウッド)が付属し、高級カセットデッキに相応しいデザインになっています。
 


 

よくある故障その1 <再生できないし、扉は閉まらないし。>


 GX-Z7100EXに限らず、アカイとA&Dの3ヘッド方式のデッキに多いのが、この故障です。原因は、矢印のピンチローラーが動く首振りの部分で、ここの動きが悪くなって、再生はもってのほか、扉を閉めてもすぐ開いてしまう症状が出ます。保管環境によって状態は様々で、同じ年数が経っても何とか動いてしまうものもあれば、セメントで固められたようにビクともしないほど固着してしまっているものもあります。

よくある故障その2 <ベルトが伸びるor切れる>


 故障の多くは原因その1ですが、ベルトが伸びたり完全に切れたりして動かなくなるケースもあります。ベルトが切れてしまうほどのものは、相当に保存環境が悪くないと切れてくれないと思います。過去に数台見たことがありました。デッキの中を見てみると、埃まみれでヤニ汚れが凄い状態で、だいぶ劣悪な環境に晒されていたのだと思います。

メカを分解してきれいに洗浄します。


 さて、よくある故障の原因は固着が多いとご紹介しましたが、修理するには固着を解かなくてはなりません。何が固着しているのかというと、古くなった潤滑用の油(グリース)です。つまり固まった油を溶かしてやればいいのですが、頑固なものだとそもそも部品を外すのが大変です。あまりにも力技をやってしまうと、他の部分に被害を与えてしまうので、いかに力を使わず固着を解いていくかがポイントになります。無事に分解できた後は、画像のように綺麗な状態にします。

 

 部品を洗う前はこんな状態です。グリースにも寿命があって、だんだんと潤滑能力が低下していきます。ご紹介した固着による故障が良い例です。

 

アンプ回路でGX-Z7100から変わった箇所。


 殆ど変わっていないようなものですが、矢印の部分に横に細長い基盤が取り付けられました。アース(グランド)の面積を広くするために追加されていて、ノイズ対策の一つではないかと思います。

 

 モデルチェンジ前のGX-Z7100の画像をお持ちしました。7100はアース用の基板が付いていないのが確認できると思います。それ以外は一緒です。もっと細かく見ていけば、違う部品に変わっているところもありますが、パッと見ただけでは両者とも同じでしょう。