SONY TC-K222ESG

 

 1989年に登場した、3ヘッド方式のカセットデッキです。「598(ゴッキュッパー)クラス」で、どちらかというと安いグレードの機種にあたります。

 ですが、録音や再生に必要な機能はしっかり備わっていて、曲のスキップ/頭出し機能や、録音レベルとバイアス調整を補助するキャリブレーション機能も付いています。

 さらに、再生スピードの調整はクォーツを使っており、常に正確なスピードで再生と録音ができるので、調整がずれる心配がありません。クォーツは7~8万クラス以上に使われることが多いですが、いよいよ5~6万クラスにも使われるようになりました。

 低価格でありながらも、高級機の機能を味わえる1台です。

 


 

 

よくある故障 <再生できない・扉が開かない>


 TC-K222ESGで多い故障は、ベルトの劣化によって、再生ができなかったり、扉(カセットホルダー)が開かないという症状です。

 画像に写っている細いベルトが、ヘッドの上げ下げや、扉の開閉など、カセットテープの動作全般を担っています。これが伸びたり切れたりしてしまうと、動作が出来なくなってしまうのです。

 新品のベルトに交換して、修理しましょう。

 

ボタン交換中。


 ボタンが古くなると、電気の通りが悪くなって、押したボタンと違う動作をする症状が出ることがあります。これを予防するために、症状が出ていなくても交換するのがおすすめです。

 
 

基板を外したTC-K222ESG。


 古くなった電解コンデンサーを交換するために、基板を取り外します。取り外すと、このように空っぽになりますので、部品交換を終えて基板を取り付ける前に、中の埃や汚れを掃除します。

 機種によっては、本体の上に熱を逃がすための穴があります。TC-K222ESGはないので、きれいな状態だろうと思いきや、掃除してみると汚れが結構あるものです。

 

TC-K222ESGの基板。


 こちらはアンプの基板で、この1枚に再生用と録音用の回路が入っています。

 電解コンデンサーを交換する前で、元々は緑色のコンデンサーでした。ニチコン製でMUSEと印字されているので、オーディオ用の部品です。同じ電解コンデンサーでも、汎用、オーディオ用、自動車用などと、用途別に販売されています。

 

 こちらがデッキの動作を制御する、システムコントロールの基板です。略してシスコンとも呼びます。

 アンプでは緑色のオーディオ用が使われていますが、こちらは普通の電解コンデンサーです。音質を高めるためには、オーディオ用と汎用を分けてつかうのが良いのですが、機種によってはすべて汎用の電解コンデンサーで統一しているものもあります。

 

 交換に使う新品のコンデンサーも、オーディオ用と汎用を分けて使います。すべて汎用のものにしても問題はありませんが、アンプの部分だけは良い部品を使って、音質を高めたいところです。

 

コンビネーション型になったTC-K222ESGのヘッド


 TC-K222ESGの録音/再生ヘッドは、録音ヘッドと再生ヘッドがくっついて一体となっているコンビネーションヘッドです。

 これまで採用されていた旧型のヘッドは2つのヘッドが分離している独立懸架型のタイプで、感想としては、旧型の方が音に歯切れがあって良い音だと感じます。しかし、摩耗しやすいという弱点があるためか、元々旧型のヘッドを搭載している機種でも、新型のヘッドに交換されている中古品をしばしば見かけます。

新しくなったメカニズム。


 設計が大きく変わっているので、従来のものを旧型、そして1989年から採用されたものを新型と呼び分けます。新型メカの特徴は、画像を見ていただくと、歯車が多いです。

 従来は、レバーのような部品があるだけで比較的簡単な構造でしたが、動作音が大きいという欠点がありました。そこで動作音を静かにするためには、モーターで歯車を介して動作をさせるという構造を採ります。動作音が静かなデッキは、だいたいこのような構造になっている傾向にあります。特にバブル期以降のモデルには多いです。

 

 こちらが1世代前のTC-K555ESRの旧型のメカニズムです。歯車は一切使われていません。ヘッドを上げ下げするのは、画像の右側にあるソレノイドという部品(黄色のビニールテープが巻かれている部品)が行います。

 ソレノイドは電気を流すと、勢いよくレバーを動かすので、「ガチャン!」という大きな音を立てます。ただ、この動作音がアナログな雰囲気を出していて良かったりするのです。

 

新型メカにも初期型と後期型がある!?

 少々マニアックなお話になってしまいますが、もし興味がありましたらお付き合いください。

 さて、1989年のESGから新型メカになりますが、実は次のモデルであるESLでマイナーチェンジがされています。

 
 これはTC-K222ESGのメカですね。これと、1991年のTC-K333ESAのメカを分解した画像を比べてみましょう。赤丸の部分は、モーターの回転をリール台に伝えるためのアイドラーですが、ここにも注目です。

 本当はTC-K222ESLで比較したいのですが、画像を持っておりませんので、代わりに333ESAで紹介します。

 

 こちらがTC-K333ESAです。

 いかがでしょうか。色が違うのが分かるかと思います。TC-K222ESGは黒色、そしてTC-K333ESAは銀色です。また、先ほどのアイドラーの部分も比較してみると、少し形状が違うのが分かるでしょうか。部品を固定している位置が違うのです。

 このように、外からは同じように見えても、いざ分解してみると細かい違いが発見できたりします。