西村音響店

SONY TC-K222ESG

  • SONY TC-K222ESG

 

概説

1989年、新たに222の型番が与えられて発売された、エントリークラスの3ヘッドカセットデッキです。

ESG世代からメカニズムは新設計のものが搭載されています。サイレントメカニズムと称され、動作にソレノイドを使わずすべてモーター駆動にすることにより、動作音が格段に静かになりました。

エントリークラスながら、キャプスタンの回転はクォーツロック制御です。これまで高級モデルの装備だったクォーツロックも、いよいよエントリ-クラスにも搭載されるようになりました。さらにはキャリブレーション機能まで搭載。機能面ではほとんど高級モデルと変わらないレベルまでに充実しています。

録音/再生ヘッドは、コンビネーションタイプ。一世代前のエントリークラスTC-K600もコンビネーションタイプだったことから、222はその後継とも捉えることができそうです。

222ESGのもう1つのポイントはキャビネット(天板)にあります。キャビネットの内側に防振ゴムが貼られており、外部からの振動やスピーカーの音圧で共振しないような工夫が施されています。また、メカニズムの動作音もゴムによって吸収されるので、無駄に響かないところも◎。

価格が安いモデルの割に機能がかなり充実しているため、さらに上のモデルへの欲が湧いてくるようなデッキです。

 



 

音質

◆CAUTION◆
非圧縮の音声データのため、容量がかなり大きくなっています。スマホなどのモバイル機器でお聴きの際は、Wi-Fiに接続することをお勧めします。

◆録音条件◆
テープ:マクセルUR (2020年発売)
ノイズリダクション:OFF

【アコースティック系】 WAV 96kHz-24bit 53.3MB

音源:Nash Music Libraly

 

 

外観の詳細画像

サムネイル画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。

SONY TC-K222ESG カセットホルダ
【カセットホルダ】
パワーローディングを採用。新たにスタビライザーも装着され、カセットテープのホールド性が増した。
SONY TC-K222ESG メーターと操作類
【メーターと操作類】
エントリークラスでありながら、キャリブレーション機能を搭載。ただし上位モデルと違うのは、録音イコライザーの切替えが省略されている点である。
SONY TC-K222ESG デッキ背面
【デッキ背面】
新たにCDダイレクト端子が装備されたので、入力が2系統になった。
SONY TC-K222ESG 製造年と製造番号
【製造年と製造番号】
平成元年製。区切りがよいことに、昭和から平成に変わると同時にフルモデルチェンジとなった。
SONY TC-K222ESG コンビネーションヘッド
【録音/再生ヘッド】
コンビネーションヘッドを採用。ESR世代では独立懸架タイプだったが、同世代の廉価モデルであるTC-K600はコンビネーションヘッドを搭載していた。

 

デッキの内部

キャビネットオープン

 

 

デッキの分解画像

サムネイル画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。

SONY TC-K222ESG モードベルト切れ
【モードベルトが切れる】
動作音が静かな新型メカニズムになったが、ゴムベルトを使う構造のために壊れやすくなってしまった。
SONY TC-K222ESG キャプスタン部分を分解
【キャプスタン部分】
エントリークラスなのに、クォーツロック制御のダイレクトドライブを搭載している点が最大の売り。ワウフラッターは0.02%台(W.RMS)を実現。
SONY TC-K222ESG メカニズム部分を分解
【メカニズム全分解】
サイレントメカニズムは歯車が多い構造である。旧型と比べると少し複雑になった印象を受ける。地板が黒なのはESG世代のみで、ESL世代以降は銀色になる。
SONY TC-K222ESG システムコントロール基板
【制御系回路】
中央に見える大きなICがデッキの動作の中枢を担うマイコンである。銅色の放熱板は巻取り用モーターを駆動するIC。回転中は熱を持つ。
SONY TC-K222ESGメーター基板
【メーター・操作ボタン基板】
1枚の基板にまとめられている。画像はボタンの劣化で誤動作する現象を治すべく、新品に交換中。
SONY TC-K222ESG アンプ基板
【アンプ基板】
ニチコン製のオーディオ用コンデンサ「MUSE」が多数使われている。上位モデルよりは回路が簡素化されているものの、電子部品の選定に抜かりはなさそうだ。

 

撮影に協力くださった方
・神奈川県 ワタナベ様

 

 

Return Top