西村音響店

A&D GX-W4500

最終更新:2021/12/11

 

概説

1989~1990年ごろの赤井電機(A&D)のダブルカセットデッキです。左右両方のデッキに、ツインフィールドスーパーGXヘッドを搭載しています。

メカニズムはコストダウンのためか、Panasonicのダブルカセットデッキで使われているものが使われています。しかしGX-W4500ではさらにコストを抑えるためか、キャプスタンホイールはなんと樹脂製です。

そしてこのデッキ最大の珍機能が「キャラクターモード」。カーステレオとヘッドホンステレオの2種類のモードがあります。この機能を有効にすると、それぞれのシーンに最適なイコライザー設定に調整されて録音します。

せっかく素晴らしいヘッドを搭載していますが、ダブルデッキということでコストの制約が厳しかったことも推測されます。また、当時の赤井電機は苦しい経営を強いられている時期でもありました。

GXヘッドもやめて徹底的に低価格にするか、それとももう少しグレードアップして上位路線を行くべきか。低価格帯のデッキ開発に苦戦していた雰囲気が、デッキの設計に表れているようにも思います。ただ、流石はツインフィールドヘッド。高音域の解像度は普通のダブルデッキの1枚どころか2枚3枚上です。

 



 

音質

◆CAUTION◆
非圧縮の音声データのため、容量がかなり大きくなっています。スマホなどのモバイル機器でお聴きの際は、Wi-Fiに接続することをお勧めします。

◆録音条件◆
テープ:マクセルUR (2020年発売)
ノイズリダクション:OFF

【アコースティック系】 WAV 96kHz-24bit 53.8MB

【エレクトロ系】 WAV 96kHz-24bit 36.8MB

音源:Nash Music Libraly

 

外観の詳細画像

サムネイル画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。

A&D GX-W4500 デッキ1側
【TAPEⅠ側】
開閉は手動式。リッドの形状は同世代のGX-Z6100やGX-R3500と同じ。
A&D GX-W4500 デッキ操作部
【メーター】
メーターはピークホールド機能がないタイプ。キャラクターモードは録音時のみ有効。
A&D GX-W4500 デッキ2側
【TAPEⅡ側】
どちら側のデッキも録音に対応しているので、Ⅰ⇒Ⅱへのリレー方式で連続録音も可能。
A&D GX-W4500 デッキ背面
【デッキ背面】
入出力は各1系統ずつ。本体の奥行が35cmあるため、ダブルカセットデッキにしては結構大きい。
A&D GX-W4500 製造年と製造番号

【製造年と製造番号】
撮影させていただいたGX-W4500は1990年製。よく考えると、赤井電機の最後のダブルカセットデッキでもある。
A&D GX-W4500 録再ヘッド
【録再ヘッド】
ツインフィールド・スーパーGXヘッドを搭載。最後の最後だけに意地でも搭載したかったのだろうか…数少ないGXヘッドを搭載したダブルデッキの1台。

 

デッキの内部

オープン・ザ・キャビネット

画像にマウスオン(タップ)してください。

 


【フロントパネルの裏側を眺める】
メカニズムが2基付いていることで、配線の数も多め。特にフラットケーブルの本数が多い。
GX-W4500 メカニズム部分背面
【メカニズムの後ろ側】

 

デッキの分解画像

サムネイル画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。


【メカニズム前面】
カセットホルダは前面パネルに付いているタイプで、メカニズムを外すといきなりこの状態である。このメカニズムはPanasonicのダブルデッキでも使われている。

【メカニズム背面】
キャプスタンモーターのみで動作させる「1モーター」タイプ。廉価なカセットデッキによく使われる構造である。

【キャプスタンホイール】
片方はプラスチック製のホイールである。そのためワウフラッター0.08%(WRMS)と、オーディオ用カセットデッキとしては厳しいスペックとなっている。

【メカニズム全分解】
1モータータイプのメカということで、再生や早送りなどモードを切り替えるが必要となる。そのため意外と機構が複雑である。

 

YouTube動画で紹介しました

 

撮影に協力してくださった方
・岐阜県 「せいやん」さん(2020年6月,2021年5月撮影)

 

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