YAMAHA K-6


 

 

1980年ごろのヤマハのワンウェイ・2ヘッドカセットデッキです。

 K-6で特徴的な部分は、扉(カセットホルダー)がないことでしょう。使わないときは、ヘッドにほこりなどが付着しないように、カバーを被せておくことができます。電源ボタンが光るところもお洒落です。

 機能としてはいたってシンプルです。テープの録音、再生、早送り、巻戻しのみで、曲を飛ばしたり戻したりする機能はありません。余計なボタンがついていない分、デザイン性の高い1台に仕上がっているのではないでしょうか。

 カセットテープに良い音で録音するためには様々な機能が欲しいところです。しかしその反面、スイッチがたくさん並んでしまうことになります。カセットデッキは高機能・高性能が必ずしも良いわけではありません。デザインや操作性も魅力を決める要素となるでしょう。

 K-6はシンプルさを重視し、デザインに重きを置いている1台だと思います。

 
 


 

故障事例1 <再生できない>


 キャプスタンを回すベルトが切れてしまい、再生できなくなる故障です。

 この時のK-6は、単にベルトが切れているのではなく、溶けてベルトの形跡がなくなっていました。劣化が進みすぎると、ここまで変化してしまいます。

 

 プーリーに張り付いてしまっているので、地道に取り除いていくしかありません。

 この時に、衣服に付けないように注意します。いったん付いてしまうと、もう落ちません。対策として、使い捨てのシャツなどを準備しておくと、気にせず作業ができます。机にゴムが付着したときは、無水エタノールで拭き取ります。

 

故障事例2 <テープがすぐ止まる>


 もう一つ、カウンターを回すためのベルトが切れて、巻戻しや早送りをしてもすぐ停止する故障もあります。

 カウンターの部分には円形のマグネットが付いていています。このマグネットを、ベルトを介して回し、センサーで検知している仕組みです。ベルトが切れた場合は、マグネットが回らないため、常に回っていないとセンサーは判断します。すると、すぐ止まる症状が起きてしまうのです。

 この仕組みは、テープの終わりを検知して自動的に停止させるために使われます。巻戻し終わると自動で止まるのは、この仕組みのおかげです。

 

使わないときは、カバーを被せておきましょう。


 テープを再生しないときは、このようにカバーを閉めることができますので、閉めておきましょう。さらに、デッキ本体にも布などを被せておくと、メカ部分への埃の侵入を防げます。

 

K-6を下から覗いてみる


 K-6は基板が逆さまに取り付けられています。電解コンデンサーなどの部品を見るには本体の底部を開けましょう。
 
 画像の右側の小さい基板が、デッキの動作をコントロールする回路、左側の大きい基板がアンプの回路です。制御系とアンプがしっかり別の基板に分かれています。カセットデッキの基本構造である、メカ+制御回路+アンプ回路の3点セットがわかりやすいです。

 

K-6のメカ構造


 K-6のメカは、2つのモーターと、2つのソレノイドから構成されています。1980年代初期のカセットデッキには多く使われている形です。下のソレノイドがヘッドの作動を行い、上のソレノイドがテープの弛みを防止するブレーキの作動を担っています。

 YAMAHAのシールが貼ってあるモーターが、キャプスタンを回すモーターです。キャプスタン用モーターには、DCサーボモーターが使われています。ふつうのDCモーターに回転速度を維持するための回路を内蔵したもので、安い機種によく使われているモーターです。

 

スペースが広い分、大型のフライホイールが使える。


 K-6のキャプスタンには、大きな重り(フライホイール)が付いています。

 特に1970~’80年前半のデッキで多く見られます。重くすることで慣性力を高め、 音揺れ(ワウフラッター)の低減を図っています。シングルキャプスタンでは、その名の通りキャプスタンが1つしか必要ありません。その分、フライホイールを大きくできる利点があります。

 バブル期になると、クローズドループ・デュアルキャプスタン方式を採用したデッキが多くなります。半分くらいの直径にもかかわらず、安定性は非常に高いです。特にダイレクトドライブが、安定性を底上げしたといえるでしょう