概説
1989年頃の型番に「K」が付くオートリバースデッキです。一世代前にはTC-K501ESが展開されていました。後継機種かはわかりませんが、「K」が付く最後のオートリバースデッキです。
メカニズム部分は、回転ヘッドの方式のオーソドックスなオートリバースデッキです。他社のデッキでも使わているような汎用のメカニズムが使われており、コストを削減している部分が見られます。
それでもアンプ部分には、ニチコン製のオーディオ用電解コンデンサー「MUSE」を採用しています。定価5万円台という廉価モデルではありますが、アンプでは抜かりがないように思います。
特徴的な機能として、自動的に録音レベルを調整する機能があります。完全な自動調整ではなく、レベルが大きすぎた場合に自動的に小さくするもです。名前は「サウンドフォーカス」。ちなみにAKAIのデッキにも「CRLP(Computer Rec Level Processing)」という名称で同様の機能があります。
TC-K500Rの姉妹機(?)として、メカニズムの構造はそのままでワンウェイ・3ヘッド方式にしたTC-K600が存在します。
外観の詳細画像
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【カセットホルダー】 開き方は高級デッキのようにゆっくり。ただ閉まった時の「ガチャン」という音が大きく、若干チープな雰囲気がある。
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【デッキ操作部】 キャリブレーションなど余計な機能が付いていないので、ボタンやスイッチは少なくすっきりしている。頭出し機能(AMS)を使うには、一旦ポーズの状態にしてから早送りor巻戻しボタンを押す。
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【デッキ背面】 入出力端子はそれぞれ1系統ずつ。MPXフィルターのスイッチが何故か背面にある。ちなみにスリーセブンも背面にある。
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【製造番号と製造年】 このTC-K500Rは1989年製。エントリークラスなのに電源コードは高級モデルと同じ極太のもの。
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【録再ヘッド】 一般的な回転ヘッドで、素材はアモルファス系。
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デッキの内部
キャビネットオープン
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【メイン基板】 電源回路がメカ用とアンプ用を独立させているあたり、型番に「ES」が付くデッキの思想が窺える。左奥がメカ用、右奥がアンプ用。
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【アンプ用電源回路】 ニチコン製オーディオ用電解コンデンサー「MUSE」が使われている。メカの部分ではコストが抑えられているが、アンプは抜かりが無さそうだ。
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【再生アンプ・ドルビーNR回路】 こちらにも「MUSE」がふんだんに使われる。部品のレイアウトを見る限り、型番222クラスと同等の回路と思われる。
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【メカニズム背面】 モーター2個+ソレノイド1個の構成。廉価モデルによくみられるタイプで、再生ボタンを押すと「カタンッ、コトンッ」という動作音が鳴る。(電車の音みたいだけど最も似合う擬音語はこれしかない…)
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【RECレベル調整用のモーター】 RECレベルが大きすぎるとこのモーターが動作する。フェード機能でもこのモーターが使われる。
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機材協力してくださった方
・愛知県 イシガキ様