概説
1980年頃に登場した、当時最上級ランクのCシリーズの中では真ん中に位置するカセットデッキです。
上位機種にC-1mkⅡが、下位機種にC-3Xがラインナップされており、ちょうど中間に位置づけされています。それでも定価は15万円超えと、ハイエンドクラスに相当するデッキです。
C-2Xの性能をフルに発揮するためには、オプションパーツであるBIAS/EQカードが必要です。名前には「カード」とありますが、容姿はまさしくファミコンのカセット。デッキ前面に装着するスロットがあり、脱着もまるでファミコン。
BIAS/EQカードを複数枚用意することで、テープ別にセッティングを保存しておくことができます。保存といっても、カードにただボリュームが付いているだけの非常にアナログな方法です。
しかし逆を言うと、オプションパーツが無いとキャリブレーションができない点が惜しいところ。C-3XはEQ調整はできませんが、標準でキャリブレーションが可能です。扱いやすさではC-3Xの方に軍配が上がるかもしれません。
テープの走行はクローズドループデュアルキャプスタン。シングルキャプスタンのC-3Xと比べて、ワウフラッターの少なさで優ります。そして、Cシリーズの特徴的な機能といえば倍速モード。ノーマルテープでも20kHz以上の音域まで余裕の録音をします。少し響きの良い言葉で表現するなら「空気感まで録音する」といったところでしょうか。
C-2XもC-3Xも同じような恰好をしていますが、中身は全くの別モノです。メカニズムから電子回路まで全く違います。重量もC-3Xの9kgに対し12.5kgと桁違いに重いです。総合格闘技で例えるならウェルター級とクルーザー級です。
外観の詳細画像
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【カセットホルダーとテープ操作ボタン】 1980年ごろのTEACといえばこのデザイン。C-2Xはカセットを入れると自動的にテープのたるみを取る機能がある。カセットの挿入を検知するスイッチがあるため、何も入れない状態では操作できない。
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【メーターとボリューム・スイッチ類】 メーターは針式のピークレベル。ボリュームやスイッチ類は他のCシリーズのデッキと共通。INPUTスイッチにある「TEST」は、別売のテストトーン発振器を使ってキャリブレーションを行うときに使う。
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【プラグインBIAS/EQカード】 脱着はまるでファミコン。カートリッジを交換することにより、いちいちテープに合わせて調整する手間が要らなくなる。画像はリファレンス設定用のもので、初めから装着されている。
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【デッキ背面】 ライン入出力、マイク入力、有線リモコンの端子のほか、dbxユニット専用の入出力端子がある。型番にXが付いていてdbxが搭載されているように聞こえるが、別売りなので要注意。
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【製造番号と製造年】 このC-2Xは1980年製で初期に生産された個体。カタログで確認する限り、C-2Xは1982年頃まで生産されていた。
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【録音/再生ヘッド】 摩耗に強いフェライト系のヘッドを搭載。C-2Xはクローズドループデュアルキャプスタン。ピンチローラーは新しいものに交換されている。
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デッキの内部
キャビネットオープン
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【デッキ内部左側】 電源トランスとメカニズムが鎮座。どちらもC-3Xよりもデカい。
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【録音関係の回路基板】 C-2Xのアンプ基板は全部で3枚。一番上の基板には録音イコライザー回路、バイアス発振回路、メーター回路がある。
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【システムコントロール回路】 デッキの中央部分に垂直に配置されている。大きなマイコンはなく、単体のトランジスタが並ぶ。ロジックコントロールの初期タイプである。
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【ドルビーHX回路】 1980年製ながらドルビーHXシステムを搭載。ただ、バブル期のHX-Proとは違い、こちらはHX-Proの「Pro」が付いていない。高周波成分を検知すると自動的にバイアス量の補正をする動作は一緒。
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【再生アンプ・ドルビーNR回路】 ドルビーNR用のICは4個。(再生用×2 録音用×2) 発熱が原因からか故障事例もある。このタイプのICが使われているデッキは注意したい。
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機材協力してくださった方
・茨城県 船野様