西村音響店

A&D GX-Z7000


 

 

概説

 1987年、赤井電機の『A』と三菱ダイアトーンの『D』が手を組み、誕生したのがA&D。その第1陣のメンバーの1台として登場したのが、このGX-Z7000です。1986年登場のGX-73の後継機種にあたります。

 外観はGX-73と全くと言ってよいほど同じです。一見、エンブレムをAKAIからA&Dにチェンジしただけのようですが、実はデッキの中ではマイナーチェンジが行われています。なお、次のモデルからは高さのあるボディに変わるため、薄型ボディはこの世代が最後になります。

 同時期のフラッグシップモデルにはGX-Z9000がラインナップされました。GX-Z7000では、dbxノイズリダクション、クォーツロック制御、サイドウッドが省略されています。これら3つ以外はどちらのデッキも全く変わりません。アンプの回路は全く同じなので、音質も全く同じです。

 メカニズムは、3ヘッド方式、クローズドループ・デュアルキャプスタン、ダイレクトドライブといった、高級デッキには標準なものをしっかり装備。そして、録音・再生ヘッドは摩耗に非常に強いスーパーGXヘッド。製造から30年以上経過した現在でも、すり減っているものは見かけません。

 

 


 

部品は一つ一つ綺麗に。


 GX-Z7000は、2018年時点で全員が30歳あるいは31歳になりました。経年で機械的な部分が動かなくなり、故障してしまうデッキも多くなっていると思います。そこで、メカニズムを分解した後、部品をしっかり洗浄してから新しい潤滑グリースを塗ることにより、動きが若返ります。ただ油をさして動くようにするといった修理は、応急処置の意味合いでしかないので行いません。


 部品を洗う前はこのような状態です。種類にもよりますが、古くなったグリースを触ってみると、ねっちょりとした状態になっています。もはや潤滑の役割ではなく、動作を阻害する悪役にいつの間にか変わってしまっています。

 

よくある不具合 <スイッチの接触不良>


 よく「ノーマル・ハイポジ・メタルの表示がちらつく」という不具合があります。写真の部品が、テープの種類を検知するスイッチになるのですが、ここの接触部分が悪くなって点滅してしまうのが原因です。その要因は幾つかあると思うのですが、埃や汚れがついて接触が悪ってしまうことや、スイッチの接触を繰り返しているうちに見えない火花によって表面が焦げたような状態になり接触が悪くなる、といったものが主な要因になっていると思います。接触部分を掃除することで、解消できます。

 

GX-Z7000のベルトは2本。

 GX-Z7000のメカニズムには2本のベルトが使われています。まず1つ目が、キャプスタンを回すためのベルト、もう1本が、ヘッドの上げ下げや、扉(カセットホルダー)の開閉などを行う、メカを作動させるためのベルトです。ゴムで出来ているので、さすがに30年もすれば劣化してしまうことでしょう。GX-Z7000に限らず、他にも同じ構造をしたメカを使っている機種があります。
 

 こちらはキャプスタン用のベルトです。このベルトは特に切れたりすることもなく、交換しなくても問題ないのですが、中にはゴムが痛んでいたりカビが生えていたりするものもあるので、新品に交換するのが一番です。

 

 こちらの細いのは、2本目のメカの作動を行うベルトです。細い分だけ劣化も早く、中には完全に切れてしまっているものもありました。ヘッドが上がらず再生できなくなる故障はよくある事例ですが、この手の故障は、メカが固着している事の方が多く、ベルトの劣化はその次の原因です。ベルト交換も必要ですが、まずはオーバーホールから行った方が安心してお使い頂けます。

メカニズムをぜんぶ分解するとこうなります。


 この構造になっているのはGX-Z7000だけではありません。実は1982年発売のモデルから採用されていて、ヘッドとテープが接した状態で待機することにより、再生ボタンを押すと静かに素早く再生されるという、独特のシステムです。

 また、共通であることを利用すれば、何か部品が壊れていたときなどのトラブルがあっても、部品を移し替えること簡単にできるので、修理が不可能になる心配も少なくなります。

 

GX-73からのマイナーチェンジ <再生アンプの銅シールド>


 先代のAKAI GX-73とデザインは殆ど一緒かもしれないGX-Z7000ですが、内部でマイナーチェンジされた部分があります。その一つに、再生アンプの部分に銅メッキのシールドが追加された点があります。写真の矢印の部分が追加されたシールドです。

 銅シールド以外にも、OUTPUTレベルを調整出来ていたのが、調整出来ない固定式に変わっているという点もあります。GX-73では、ヘッドホンボリュームを回すと、背面のライン出力の音量まで変化する仕様でした。

 

GX-Z9000と同じ基板を使っているようです。


 GX-Z7000の基板をよーく探検してみると、こんなような部分を見つけることができます。上位機種のGX-Z9000になると、dbxノイズリダクションを搭載するので、ここにdbx用のエンコードレベルを調整するボリュームが配置されます。他にも、GX-Z7000にはdbxは搭載されていないはずなのに、ディスプレイをよく覗いてみると「dbx」と表示される部分があります。一度試したことがありますが、GX-Z7000とGX-Z9000の基板をあべこべにする事も可能です。

 あと、日付らしきものが押印されていますが、1988年2月4日製造ということなんでしょうか。ちなみに撮影したデッキは、電源コードに1988年の表記がありました。

 



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