最終更新日:2025/12/27
概説
1988年に登場した、A&Dブランド最上級モデルのカセットデッキです。GX-Z9000の後継モデルとして登場しました。薄型デザインから一転して、厚みのある堅牢な容姿へとモデルチェンジしました。フラッグシップモデルの証となるサイドウッドも引き続き装着され、さらに艶出し加工を行ってさらに高級感を増したモデルになっていると思います。
薄型のボディから、高さ15cmのデザインへと進化したのは、電子回路基板1枚1枚に個室を設けるレイアウトを採用したためで、「セパレートブロック・コンストラクション」といいます。基板を密室に閉じ込めることで、電源トランスから発出されるハムノイズなど、空中から混入する有害ノイズを抑制する工夫をしています。なお、GX-Z9100ではシャーシが銅メッキ仕様となります。
GX-Z9000で搭載されていた、ヒスノイズが皆無になるdbxノイズリダクションは残念ながら搭載されていません。ドルビーのBタイプ・Cタイプの2種類のみの搭載となりました。ただ、元号が昭和から平成に変わると、どのメーカーもdbx搭載のモデルを廃していきました。
GX-Z9100からは新機能として、録音レベルとバイアス調整を補助するキャリブレーション機能が搭載されました。これで耳で聴きながら調整をしなくても、メーターで視覚的に調整状態を確認できます。なぜGX-Z9000に搭載されていなかったのかが不思議です。
他にも、CDダイレクト端子、ドルビーHX-Pro(ON/OFF可能)、16曲までの複数の曲を一度にスキップできる機能、1/2のスピードで再生する機能などと、数々の新機能を搭載して登場しました。
今まで薄型のデザインが多かったAKAIですが、ごついA&Dへと変わっていきました。昭和から平成へ時代が移るころ、各社とも厚みのあるデッキが多くなっていっているので、カセットデッキにも何か流行というものがあったように感じます。
GX-Z9100の構造&搭載機能
| ヘッド | 3ヘッド方式(録音/再生:スーパーGXヘッド) |
|---|---|
| メカニズムの駆動 | ロジックコントロール(カムモーター駆動) |
| キャプスタンの回転 | ダイレクトドライブ (クォーツPLLサーボ) |
| テープの走行方式 | クローズドループデュアルキャプスタン |
| カセットホルダの開閉 | パワーローディング |
| スタビライザー | あり |
| テープセレクター | 自動(ノーマル・ハイポジ・メタル) |
| ノイズリダクション | ドルビーB/C |
| ドルビーHX-Pro | ON/OFF切替可能 |
| 選曲機能 | あり(複数曲スキップ可能) |
| メーター | デジタルメーター(0dB=250nWb/m) |
| ライン入力 | RCA端子2系統(LINE-IN, CD-DIRECT) |
| ライン出力 | RCA端子1系統 |
| キャリブレーション機能 | あり(400Hz, 10kHz) |
| カウンター | 分数表示 |
| その他の機能 |
|
GX-Z9100の特徴
◎GX-Z9000からのフルモデルチェンジ(セパレートコンストラクションを採用)
◎摩耗知らずのスーパーGXヘッド
◎クォーツPLLサーボ・ダイレクトドライブ
◎メカ構造は従来のままカセットスタビライザーを追加
○マニュアルキャリブレーション機能
○グロス仕様のサイドウッド
関連機種
- GX-Z7100(下位機種)
- GX-Z9100EX(改良モデル)
音質サンプル
テープ:マクセルUDⅠ(1987年)
ノイズリダクションOFF
音源:Nash Music Library
【フュージョン・ロック】48kHz-24bit 容量26.2MB
—–
【フュージョン・ロック】★他機で録音したテープ 録音デッキ:TEAC C-3 48kHz-24bit 容量34.4MB
無圧縮音源ファイルのためデータ容量が多くなっています。ご注意ください。
外観の詳細画像
デッキの内部
デッキの分解画像
サムネイル画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。
参考周波数特性
【TYPEⅠ】マクセル UDI (1987年)

【TYPEⅡ】TDK SA (1987年)

【TYPEⅣ】TDK MA (1988年)

これまでの作業実績
2025年11月 千葉県 ササキ様

2020年7月 埼玉県 eagle39様





































