概説
外観のポイントが沢山あるナカミチの580番台ですが、まず1つは幅50cmのワイドボディが挙げられると思います。一般的なデッキは43cm前後なので、約7cmも幅広です。元々このシリーズはアメリカをターゲットにしていたそうで、車でいるアメ車みたいな感じでしょうか。他にも、他では見かけないボリュームのツマミ形状、通電中デッキ前面が温かく光るイルミネーションなど、アメリカンでワイルド(?)な雰囲気もあります。
580番台には幾つかの機種がありますが、この582Zは、録音同時モニターが可能な純粋な3ヘッド機で、ドルビーCを搭載した機種です。ちなみに同じファミリーの581Zは録音同時モニター不可の3ヘッド機、580Mは純粋な2ヘッド機となっています。
ノイズリダクションは、当時登場したばかりだったドルビーCを搭載しています。初期のドルビーCということで、ドルビーB用のICを合計8個搭載した回路になっています。581Zでは半分の4個になっており、録音用と再生用を兼用するために同時モニターが使えません。
キャリブレーションは手動式で、録音感度とバイアスを左右独立して調整ができます。操作ボタンのすぐ上にある穴にマイナスドライバーを突っ込み、中にあるボリュームを回します。調整範囲がかなり広く、慣れないうちは少し戸惑います。ただ、上級クラスではオートマチックになる機種もあるので、完全マニュアルが良いという方にはおススメです。
音質は、680番台やZXシリーズなどの上級機種と比べると、若干超高音域の解像度が劣るかもしれません。それでもクリスタロイヘッドの力強い音は健在です。ドラムやギターが激しいロック系やフュージョン系には向いていると思います。
ナカミチの中ではどちらかというと少し下のグレードに位置しますが、十二分にナカミチサウンドを堪能できると思います。ただ、ワイドボディがゆえにラックに納まらない場合もある点は要注意です。
外観の詳細画像
デッキの内部
オープン・ザ・キャビネット
オープン・ザ・底板
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YouTube動画でも紹介しました
・大阪府 prophet5さん(2021年10月撮影)