西村音響店

Nakamichi RX-505

  • ナカミチRX-505

概説

1983年ごろにナカミチから発売された、クレイジーなオートリバースデッキです。別の名は「ユニディレクショナル・オートリバースデッキ」。直訳すると一方向のオートリバースデッキとなります。

一般的なオートリバースデッキではヘッドを回転させる方式が大半です。しかし、このRX-505はどういうことか、カセット自体を自動でひっくり返す大胆な方法でオートリバースを行います。

なぜわざわざ、こんな大胆なオートリバースデッキにしたのか。ふとナカミチが発売してきたカセットデッキを振り返ってみると、このRX-505と下位モデルの2機種、DRAGONを除いてすべてワンウェイのデッキであることに気づきます。回転ヘッドを搭載しているデッキが1台もありません。1000ZXLやDRAGONに搭載されているヘッドの自動アジマス調整が物語っていると思います。

そんな強いこだわりから、アジマスが狂いやすいとされている回転ヘッドを採用しなかったと考えられます。採用に否定的というより、もう拒絶レベルかもしれません。

このRX-505は、ユニディレクショナルオートリバースの最上級モデルで、3ヘッド方式が採用されています。下位モデルにはRX-303、RX-202が存在し、2ヘッド方式への変更や機能の省略がされているようです。

 



 

外観の詳細画像

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Nakamichi RX-505 前面左側アップ
【前面左側・テープ操作部】
カセットを上下逆さまにセットするため、再生ボタンや早送りボタンなどの矢印も逆を向いている。そして、ナカミチの中では数少ないオートリバースモードの切換えスイッチ。
Nakamichi RX-505 前面中央アップ
【前面中央・カセットホルダー】
テープが進む方向が同じなので、現在A面B面どっちを再生しているのかが分かる配慮がされている。
Nakamichi RX-505 前面右側アップ
【前面右側・メーターと録音関係】
メーターは縦軸のタイプ。テープセレクターが手動式なのはナカミチではもうお馴染み。残念ながらキャリブレーション機能は付いていない。
Nakamichi RX-505 デッキ背面
【デッキ背面】
入出力端子は1系統ずつ。有線リモコンの端子も装備。
Nakamichi RX-505 製造年
【製造番号と製造年】
このRX-505は1983年製。「0」から始まる製造番号なので、初めの方に製造された個体と思われる。
Nakamichi RX-505 カセットホルダー
【カセットホルダーの中】
OPEN/CLOSEボタンを押すと自動で手前にせり出してくる。カセットを反転する時は、一旦カセットホルダーが前にせり出してから回転する。
Nakamichi RX-505 録再ヘッド周辺
【録再ヘッド周辺】
カセットを逆さまにセットする関係で、ヘッドは上に付いている。3ヘッド方式でクローズドループデュアルキャプスタンである所は、普通のワンウェイタイプと全く同じ。

 

デッキの内部

キャビネットオープン

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Nakamichi RX-505 ドルビーNR基板
【ドルビーNR基板】
ノイズリダクションは、ドルビーのBタイプとCタイプを搭載。録音同時モニターを行うので、録音用と再生用の回路がそれぞれ付いている。
Nakamichi RX-505 録音/再生アンプ
【録音/再生アンプ】
アンプの回路はとてもシンプルでコンパクト。幾つものコンデンサを通して音を作り込んでいる感じではなく、素直な音を出してくれそうな回路になっている。
Nakamichi RX-505 システムコントロール
【制御系回路の基板】
向かってデッキの左側には、メカニズムを制御する基板がある。
Nakamichi RX-505 電源供給回路
【電源供給回路】
この基板は逆さまにマウントされている。しかしヒューズの部分だけは表を上に向けており、容易に交換できるような設計になっていると思われる。
Nakamichi RX-505 メカニズム
【メカニズム】
見事にナカミチのメカが上下逆さまにマウントされている。キャプスタンモーターは、カセットデッキで一般的なブラシ付きのDCサーボモーターを使用している。
Nakamichi RX-505 カセットホルダー開閉機構
【カセットホルダーの開閉機構】
メカニズムのすぐ傍に、もう1つモーターがある。このモーターがカセットホルダーを開閉する。普通のパワーローディングと違い、手で無理矢理押し込んでも閉まってくれないので注意。(開けようと反発してくる)

 

その他の画像

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機材協力してくださった方
・埼玉県 LuxFunさん

 

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