西村音響店

SONY TC-K555ESⅡ

最終更新日:2026/1/6
ページ作成日:2018/11/9


 

概説

 

 

TC-K555ESⅡの構造&搭載機能

ヘッド 3ヘッド方式(録音/再生:独立懸架型レーザーアモルファスヘッド)
メカニズムの駆動 ロジックメカ(ソレノイド駆動)
キャプスタンの回転 クォーツロック・ダイレクトドライブ
テープの走行方式 クローズドループデュアルキャプスタン
カセットホルダの開閉 手動
スタビライザー なし
テープセレクター 手動(TYPEⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ)
ノイズリダクション ドルビーB・C
ドルビーHX-Pro なし
選曲機能 なし
メーター デジタルピークレベルメーター(0dB=250nWb/m)
ライン入力 RCA端子1系統
ライン出力 RCA端子1系統
キャリブレーション機能 バイアス調整のみ(メタルは調整不可)
カウンター リニア分数カウンター
その他の機能
  • オートプレイ機能(巻戻し完了後に自動的に再生開始)

 

TC-K555ESⅡの特徴

◎555系列で初のクォーツロック制御・ダイレクトドライブ
◎フェリクローム対応機としては最後の世代
◎前作555ESから回路設計が一新(回路レイアウトが非常に綺麗)
○マニュアルテープセレクター
○独立懸架型レーザーアモルファスヘッド()
△メタルテープのバイアス調整は不可
△ヘッドが摩耗しやすい

 

関連機種

 

 



 

音質サンプル

テープ:RTM
ノイズリダクションOFF
音源:Nash Music Library

【フュージョン・ロック】96kHz-24bit 容量52.2MB

【テクノポップ】96kHz-24bit 容量57.4MB

 

外観の詳細画像

サムネイル画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。

【前面左側】
【カセットホルダ開】
【入出力端子】
【型式の表示・リモート端子】
リモート端子にはオプションの有線リモコンや、無線リモコンの受光ユニットを接続します。
【電源トランス】
555ESⅡでは、777系列と同じく電源トランスが外に出っ張って取り付けられる形になりました。次の555ESXでは再びシャーシの中に設置されるため、555系列でトランスが外に飛び出しているのは555ESⅡだけです。
【ヘッド部分】
この個体はヘッドが交換されており、オリジナルの物であはありません。元々は独立懸架型のレーザーアモルファスヘッドが付いていますが、メーカー修理を受けた個体ではヘッドが交換されている事があります。

 

デッキの内部

オープン・ザ・キャビネット

画像にマウスオン(タップ)してください。

 

サムネイル画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。

【電源トランス】
外に飛び出す形にはなっていますが、内部から見ると777系列のように完全な密閉はされていません。
【制御系向け電源回路】
制御系向けとアンプ向けで、整流回路は別々になっています。
【アンプ向け整流回路】
制御系よりも容量の大きいダイオード、電解コンデンサで整流しています。コンデンサは6800μFです。
【キャプスタンモーター駆動回路①】
アンプ向け整流回路と同じ基板にあります。半固定抵抗がモーターの駆動電流の調整です。
【キャプスタンモーター駆動回路②】
銅のヒートシンクが付いた部品が、キャプスタンモーターを駆動するICです。777ESではディスクリート回路で構成していますが、IC化により回路規模がコンパクトになりました。
【制御用マイコン】
【アンプ基板全景】
左半分が録音系、右半分が再生系です。電子部品のレイアウトが非常に美しく、ソニーの回路づくりの拘りを感じられる光景です。
【アンプ向け定電流回路】
先程の整流回路を通った電流が、ここで電圧を安定化させます。電解コンデンサはELNA製のセラファインで、赤色のスリーブが特徴です。アンプ基板のコンデンサがセラファインで殆ど揃えられていることもあり、より見た目が美しい物となっています。
【再生ヘッドアンプ】
オペアンプ増幅というシンプルなものになっています。三菱製M5220という、カセットデッキのプリアンプ用としては定番のICです。
【ドルビーノイズリダクション用IC①】
777ESや666ESで採用が始まった、ドルビーBとドルビーCの回路がセットになったICです。この画像は再生側のICです。
【ドルビーノイズリダクション用IC②】
こちらが録音側のノイズリダクションICです。奥の方にMPXフィルター用の可変インダクタがあります。つまりデッキの奥から手前に向かって信号が流れていきます。信号の流れが非常にわかりやすいのもソニーの回路基板の特徴です。
【録音イコライザ用RLC群】
TypeⅠからⅣまで、4種類のイコライザ定数を切り替えられるようになっています。ソニー最後のフェリクローム対応機です。
【録音ヘッドアンプ】
画像左下の赤いコネクタが録音ヘッドの配線です。録音ヘッドに流れる直前にあるオペアンプです。ここで最後に増幅を行い、交流バイアスの電流を重畳させて録音ヘッドに流します。
【消去ヘッド配線・バイアス発振ユニット】
真ん中に写っているコネクタが消去ヘッドの配線、銀色の箱の中に発振回路があります。そしてバイアス電流の出力調整は左側の可変キャパシタ(バリコン)で行います。
【ヘッドホンアンプ】
ヘッドホンアンプ用のオペアンプには何故か日立製を使っています。さらには別の個体で新日本無線製が付いているのを見た事があります。製造ロットによる違いがある可能性もありそうです。



 

デッキの分解画像

 

サムネイル画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。

【メカを下ろした状態①】
【メカを下ろした状態②】
【劣化するゴムダンパー】
カセットホルダをゆっくり開くためのダンパーが劣化して、ロケットオープンになるのは有名なお話です。
【プラリペアで補修】
ロケットオープンを何度も喰らったカセットホルダは、やがてレールに沿う突起部分が折れます。この時は幸いにも破片が見つかりましたので、プラリペアで接着させました。
【ダンパーのゴムを交換】
ホームセンターの水道用品コーナーにあるOリングで直せる話も有名かと思います。修理に汎用品が使えるのは非常にありがたいです。
【専用治具でヘッドアライメント調整】

 

 

参考周波数特性

画像にマウスオン(タップ)すると周波数軸が線形に変わります。

※本データはヘッドがコンビネーション型に交換されている個体の物です。オリジナルの独立懸架型ヘッドの場合は異なる特性が出ます。

【TYPEⅠ】RTM


【TYPEⅡ】SONY UCX (1984年)


【TYPEⅢ】 SONY DUAD(1978年)


【TYPEⅣ】 SONY METALLIC(1979年)



 

※ヘッドの状態やデッキの調整状態など個体差により、必ずしも同じ測定結果にはなりません。あくまで参考程度にお願いします。

 

YouTube動画でも紹介しました

 

 

これまでの作業実績

2025年5月 東京都 こうこ様


 

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