西村音響店

SONY TC-K666ES

最終更新日:2026/1/6
ページ作成日:2018/11/5


 

概説

 

1982年に登場した、面白い設計を取り入れている3ヘッド方式のカセットデッキです。

外から見れば普通のカセットデッキですが、ここまでこだわるのか?と思わされる設計が盛り込まれています。

TC-K666ESの一番の特徴は、ブラシ付きのDCモーターが使われていないことです。すべて、ブラシレスモーターが使われています。それだけではなく、左側のリールと右側のリールは、別々のモーターを使っています。

ふつうは、巻き戻し用のモーターは1つしかなく、歯車などを介して回すことが殆どです。歯車があると、どうしても巻き戻し中、早送り中は音がします。しかし、TC-K666ESはそれが無いため、とても静かに速く早送りや巻戻しをすることができるのです。

ただ巻戻しが速いだけではありません。テープの終わりが近づくと、テープに強い力を与えて傷めないよう、スピードを落とします。また、テープの途中に止めたいときにも安心です。だんだんとスピードを落として停止するので、急停止でテープが伸びてしまう心配もありません。

ほかにも、高級モデルのカセットデッキには欠かせない機能をしっかり押さえています。再生スピードの調整にはクォーツ、クローズドループ・デュアルキャプスタン、ノイズリダクションはドルビーのBタイプとCタイプなど、録音と再生するには十分間に合います。テープのポジション切替えは手動式で、フェリクロームテープ(TypeⅢ)も使えます。

ただの高級カセットデッキではなく、カセットテープを傷めない配慮までできる賢い1台です。

 

TC-K666ESの構造&搭載機能

ヘッド 3ヘッド方式(録音/再生:独立懸架型レーザーアモルファスヘッド)
メカニズムの駆動 ロジック制御(ソレノイド駆動)
キャプスタンの回転 クォーツロック制御・ダイレクトドライブ
テープの走行方式 クローズドループデュアルキャプスタン
カセットホルダの開閉 手動
スタビライザー なし
テープセレクター 手動(TYPEⅠ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ)
ノイズリダクション ドルビーB・C
ドルビーHX-Pro なし
選曲機能 なし
メーター デジタルピークレベルメーター(0dB=250nWb/m)
ライン入力 RCA端子1系統
ライン出力 RCA端子1系統
キャリブレーション機能 録音感度補正(左右独立)・バイアス調整
カウンター リニア分数カウンター
その他の機能
  • オートプレイ機能(巻戻し完了後、自動的に再生開始)
  • 超高速リワインド(C-60で40秒以内)
  • キューイング(ポーズ状態からテープの位置調整が可能)

 

TC-K666ESの特徴

◎フルダイレクトドライブメカ(リール駆動もDD)
◎超高速の早送り/巻戻し(C-60で40秒以内)
○独立懸架型レーザーアモルファスヘッド
○マニュアルテープセレクター(フェリクローム対応)
○録音感度・バイアスキャリブレーション可能(テストトーンは無し)
△ヘッドが摩耗しやすい(同じヘッドが採用されている機種共通)

 

関連機種

  • TEAC R-999X(同じくフルDDメカのオートリバース機)
  • Pioneer CT-980(同上)

 

 



 

外観の詳細画像

サムネイル画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。

【前面左側】
【カセットテープ挿入状態】
ハウジングランプが上の方に付いており、上からカセットを照らす格好となっています。他のソニー機とは少し異なった雰囲気です。
【前面中央】
テープ操作ボタンは中央にあります。早送り/巻戻しは押す度に低速・高速の巻取り速度が変わります。
【前面右側】
メーターは555ESと同等の物で15セグメントです。テープセレクタは手動、キャリブレーション機能はメーターを見て調整することはできませんが、録音感度とバイアスの調整が可能です。
【リール駆動モーター部分】
カセットホルダの奥のパネルを外すとリールを駆動するモーターユニットが見えてきます。ダイレクトドライブなのでアイドラーは存在しません。
【リール駆動軸取り外した状態】
駆動コイルとホールセンサが見えます。センサーは回転方向の検知もしているようで、回転方向に応じてテープカウンターの加算減算が行われます。(通常は巻戻し状態の時に減算モード、いわゆる数え方を変えるだけの制御)
【ヘッド部分】
独立懸架型のレーザーアモルファスヘッドです。同時期に登場の777ES、555ESも同じです。ソニーのアモルファスヘッドと言ったら、個人的にはこのヘッドです。

 

デッキの内部

オープン・ザ・キャビネット

画像にマウスオン(タップ)してください。

 

サムネイル画像をクリックすると拡大画像をご覧いただけます。

【電源トランス①】
トランスは大き目の物が使われています。フルダイレクトドライブメカという事で、相応に電気を喰うのではと思います。実際の消費電力は38Wです。
【電源トランス②】
【制御回路部】
【再生アンプ基板(裏側)】
【録音イコライザ用RLC群】
【再生アンプ基板(表側)】
ツインモノラル・DCアンプ構成で、777ESと違うのは2段目の増幅がオペアンプになっている所だと思います。777ESの回路を簡素化したような形です。
【アンプ向け定電圧回路】
アンプ用の電源は再生アンプ基板で生成し、各部へ供給しているようです。
【ドルビーノイズリダクション用IC】
当時まだ最新だったドルビーBとドルビーCの回路が1セットになったICです。777ESと共に新採用されましたが、555ESは従来のままドルビーB用ICを2個直列使用する回路のままでした。
【再生ヘッドアンプ】
初段増幅のデュアルFET(2SK245)は777ESと同じです。次段の増幅にオペアンプを使う事で、回路をコンパクトにしている形だと思います。
【録音アンプ基板】
下の基板は録音系です。こちらも左右のチャンネルがしっかり分離された回路構成となっています。
【メカニズム】
666ES最大の変態装備です。ソニーのフルダイレクトドライブメカは、他にTC-K88があります。666ESとK88並んで相当な異端児デッキとなっています。



 

 

 

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