最終更新:2021/12/11
概説
1979年ごろのベーシックなカセットデッキです。
高級モデルにデジタルメーターが流行っていた頃になると思いますが、このRS-M22は下のグレードでもFLメーターを装備しています。黄色っぽい光り方が、初期のFLメーターの雰囲気を感じさせます。
操作は古典的な機械式のレバータイプです。同時期の上級機種としては、RS-M88、RS-M77などがありますが、こちらはロジックコントロールが採用されているそうです。1970年代末期は、上級機種が一足先に先進機能を搭載していた頃になるでしょうか。
全体的な外観も、銀色で高さのある1970年代後半のデッキによくある形です。一点いいなと思ったのは、取り出し時にカセットが上にせり上がってくるところでしょうか。
マイナーチェンジ後の機種としてRS-M22Gが存在しますが、こちらはメタルテープにも対応した仕様となっているそうです。
外観の詳細画像
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【カセットホルダと操作レバー】 テープの操作は古典的な機械式のレバータイプです。
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【切換スイッチ】 EQとBIASは手動で切り替えるオーソドックスなものです。EQのスイッチに70μsが2つ付いているのが謎ですが、再生EQと録音EQの切替が共通になっているからだと思います。
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【FLメーター】 FLメーター搭載をアピールするポップが貼られていました。1979年の機種ということで、徐々にメーターの主流がFL管に移っている頃になるかと思います。
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【カセットホルダの開閉】 開けると取り出しやすいようにカセットが少し上にせり出してきます。地味に格好よいポイントです。
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【デッキ背面】
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【ヘッド部分】 2ヘッド・ワンウェイ・シングルキャプスタンと、原始的な構成です。
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デッキの内部
オープン・ザ・キャビネット
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【電源トランス】 右奥に一段高い位置に付いています。同年代のビクターにも同じようなレイアウトの機種をみたことがあります。
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【メカニズムの後ろ側】 DCサーボモーターに、そこそこ大きい直径のキャプスタンの組合せは、70年代後半によくみられる光景です。
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【メーター回路】 FLメーターを表示するICと、振れ具合を調整する半固定抵抗があります。
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【トランジスタ故障で音が出なくなる】 このRS-M22は当初、再生しても片側がノイズばかりの音で、しまいには音が出なくなってしまいました。
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【熱で壊れたトランジスタ】 印字が消えかかっているものが壊れたトランジスタです。交換後も同部分のトランジスタが発熱しており、恐らく熱で壊れた可能性が高いと思います。足も黒く変色しています。
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撮影に協力してくださった方
・東京都 フジモト様(2021年7月撮影)