概説
1993年頃のティアックの3ヘッドカセットデッキ。入門クラスのモデルである。
元々、カセットデッキの3ヘッド方式は主に高級モデルに採用され、各々のデッキがブランド力を持っていた。しかし、平成に突入すると低価格の3ヘッド方式が登場。3ヘッドでしか不可能な録音同時モニターも、オートリバースでない限り半ば必須な機能となったかもしれない。
V-1010は3ヘッドデッキでありながら、4万円台の低価格モデルである。
バイアス調整も可能で、初めて本格的なカセットデッキを体験する方にとっては、ここが最も感動するポイントだろう。ツマミを動かすと音質が変わる面白さに病みつきになれば、あの曲もこの曲もカセットテープで聴きたくなる。
3ヘッド方式なので、録音しながらテープに記録された音を聴く「同時モニター」も可能。カセットテープは録音後に巻き戻して確認するものだと思うのが普通かもしれないが、使い慣れると同時モニターが普通という考えに変わる。
もちろん、3ヘッドなので音質も申し分ない。それよりも、本格的なカセットデッキが初めてであれば、カセットテープの音質の良さに驚くはずである。
高級機種にくらべると性能は劣る。しかし、V-1010の素晴らしいのは性能を発揮することではなく、感動を提供することである。
カセットテープを新たな趣味として広めてくれる広報機として活躍してくれることを願う次第である。
V-1010の音質
V-1010の中身
入門クラスであるため、本体の内部は非常にシンプルです。
高級モデルになると回路が複雑になって高音質になると思いきや、逆を言うと癖が出ます。ですので、最初は癖の少ない純粋なカセットテープの音を楽しみましょう。僕もカセットデッキ研究もここから始まっています。
メカニズムを分解する
カセットデッキには、テープを再生するためのユニットが必要です。ここが駄目になってしまうと、カセットデッキとしての機能を果たせません。
部品点数も少なく、幸いなことにこの構造は壊れにくいです。故障率の低いメカニズムといってもよいでしょう。
ただし、再生スピードが経年で調整がずれていたりしますので、スピードだけはしっかり調整が必要です。
メカニズムの脱着は前面パネルを必ず外す
中にはジャンク品のカセットデッキを修理することに熱が入る方もいるかもしれません。
カセットデッキの修理の原則は、「ショートカット禁止」です。
無理に狭い部分にドライバーを差し込んだりして、仮にネジを落としてしまうと拾うのが大変です。
出来るだけ、取り外しに邪魔な部分は外しましょう。最初はいきなり修理をしようとせず、部品の脱着から練習するとよいでしょう。
キャプスタンモーターの中身
常に安定してカセットテープを再生させるには、キャプスタンの回転が要となります。そこで重要な部品がキャプスタンモーター。
矢印で指した丸い部品がキャプスタンモーターです。
このモーターは、蓋を開けて中身を出すことができます。
中には小さな基板が入っています。ここが、常に安定した音を再生させる肝となる部分です。
この回路が常にモーターの回転を一定に保つ働きをしています。銀色の半円状の部品が確認できると思いますが、これは半固定抵抗です。これを回すとスピードが変わります。蓋に小さな穴が開いていますが、精密ドライバーを差し込むと、ちょうどこの半固定抵抗に当たります。
電解コンデンサーは要交換
電子部品の中でも、特に電解コンデンサーは寿命が短い部品です。使用環境にもよりますが、メーカーの公称では最大15年となっています。
V-1010は台湾製で、電解コンデンサーも台湾製のものが使われています。劣化が激しくなると、コンデンサーの頭部が膨張することもあります。
画像ギャラリー