皆様こんにちは、西村音響店の西村です。
この度もご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、TDKの最高級カセットテープ MA-XGを、YAMAHA KX-580ではどんな音がするかを聴いてみましょう。
MA-XGの相手となる、YAMAHA KX-580は、3ヘッドデッキではなく、シンプルな2ヘッドデッキです。
早速ですが、MA-XGとKX-580でどんな音がするか、聴いてみて下さい。MA-XGへの録音は、別のデッキ(TEAC V-5000)で行っています。
音声は圧縮していませんので、ダウンロードに時間が掛かる場合がございます。ファイルは、48000Hz-16bitのWAV形式です。
いかがでしょうか。
個人的な感想としては、2ヘッド機ながら、しっかりとした音が出ていると思います。3ヘッド機のように、超高音域までの伸びが少ない分、中音域が強めに出ているような感じです。
ドラムなどのパーカッションの音は少々透明感が少ないですが、メロディーの音は得意としていると思います。特に、♪Dのメロディーを弾いているヴァイオリンの音は、とても目立っていて、旋律がすっと耳に入ってきます。
2ヘッドのデッキは、ノーマルテープの音質と似ているところがあるかもしれません。得意な曲のジャンルは、ポップス、ピアノソロ、演歌といったところでしょうか。
(音楽のジャンルの知識がまだ乏しいので、勉強が必要ですね。他にも得意ジャンルがあるかもしれません。)
YAMAHA KX-580 の特徴・良いところ
さて、今回お聴き頂きました、YAMAHA KX-580カセットデッキについて、簡単にご紹介いたしましょう。
YAMAHA KX-580は、1995年ごろに発売されたデッキで、グレードとしては初級クラスです。
オートリバース機能なしで、2ヘッド方式という、カセットデッキとしては一番オーソドックスな構造をしています。
オーソドックスな構造をしながらも、曲の頭出し機能が付いていたり、さらにドルビーノイズリダクションで一番効果が強い、ドルビーSまで搭載していたりと、CDからの録音にしっかり対応できるようになっています。
さらに、初級クラスのカセットデッキとしてはとても心強い、オートチューニング機能を搭載しています。そもそも、自動的に調節を行う機能を搭載したデッキは、少数派の部類になります。
録音をする際、より高音質な録音をするには、バイアスの調節が必要です。しかし2ヘッドのカセットデッキでは、録音した音を同時に再生して聞くこと(録音モニター)ができないので、バイアスの調節は少し難しいです。
それを解決するのが、オートチューニング機能。録音モードにして、チューニングボタンを押すだけで、自動的にバイアスを調節します。もちろん、手動での調節も可能です。
そして、KX-580の一番の特徴は、プレイトリム機能。PLAY TRIMのボリュームを調節することで、高音域の強調・減衰ができます。
先ほどお聴きいただいた音源は、PLAY TRIMのボリュームを真ん中の「0」位置にしていますので、もう少し高音域を強めることができます。そうすれば、3ヘッドデッキに近い音に変化させることも可能です。
つまり、再生中いつでもお好みに調節をすることができるのです。この機能が搭載されているのは、今まで確認している限りでは、このKX-580と、KX-640、KX-690に搭載されています。
プレイトリムを高く設定した時の音も録ってみましたので、聴いてみて下さい。先ほどの♪Aの曲です。どんな音が再生されるでしょうか。
初級クラスのデッキながら、多彩な機能を搭載していますので、もしカセットテープに興味があって使ってみたいという方には、KX-580はおススメです。
初級クラスのデッキで他に、TEACの V-1010、V-1030もお勧めしていますが、こちらは3ヘッド方式になっているので、音質の面では優れています。代わりに曲の頭出し機能がありません。
ですので便利性の部分では、KX-580の方が優れています。
いかがでしたでしょうか。
いくら安い2ヘッドのカセットデッキでも、意外と馬鹿にできない機能が搭載されていたり、思ったより音が良かったりと、一概にも3ヘッド=良いデッキとは言い切れません。
人間と同じで、1台1台のカセットデッキには、必ず良い部分があります。でなければ、市場に姿を現していないはずです。
カセットデッキも十人十色で、みんな違ってみんな良い。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。