こんにちは、管理人の西村です。
年に3回はお邪魔している、ハンズ渋谷1BフロアにあるDESIGN UNDERGROUNDのコーナー。今年の夏も行ってきました。
ここでは往年の高性能なカセットテープを、主に使用済みの中古になりますが、大量に在庫している現品を見て購入できる希少なお店です。
未開封品はもちろん品質的には良いのですが、近年どんどん高騰しており、私もそうですが封を切るのを躊躇してしまったりと、精神的にも使いづらくなっています。
どうせ使うのであれば状態の良い中古テープを狙って、お得に入手して楽しむのがおススメです。安く入手できる分、たくさん本数を買えるのも良いですね。
ちなみに現在も新品で入手できるカセットテープは、家電量販店でよく見かけるマクセルURと、秋葉原の磁気研究所で販売されているフランス製のRTMの2つしかありません。正確にはもう何種類かありますが、品質に難ありのため、基本的にはこの2つになります。
2024年7月の品揃えは珍しく未開封品大量
いつもは使用済みの中古カセットテープを並べているDESIGN UNDERGROUNDですが、今回は珍しく?未開封品が大量でした。
私は2021年頃から年3回のペースで愛知から通っていますが、こんな品揃えは初めてです。数カ月もすれば、ガラッと品揃えが変わってしまうとの事なので、毎回行く度に品揃えが違います。だから何度も行きたくなるんです。
さっそく今回のラインナップをご紹介しましょう。常連の方は、段ボール箱の中を漁るのが定番です。
箱を開けると、大量のAXIAの未開封品。ちょことソニーも混じっています。ぱっと見た感じ、ハイポジションが多いです。
この画像の中で私のねらい目はZ2です。Z2はハイポジションの最高グレードで、しかもZシリーズは短命に終わってしまったシリーズで、あまり数が出回っていません。Z2が廃盤になると、同じ画像に写っているK2が最高グレードとなります。他にはAU-②xも、Z2より少し古いですが最高グレードです。
GTのテープは、カーステ用に耐熱ハーフを採用したシリーズで、1980年代後半の物になります。後にPSシリーズにも耐熱ハーフを採用する形で、統合されたのだと思います。ちょろっと見えている、FUJIブランド時代のGTが初代です。
別の箱はJ’zシリーズが大量。ノーマルのJ’z1とハイポジのJ’z2です。J’zはベースグレードのテープですが、それでも磁性体を二層塗りにしたダブルコーティングで、パワフルな低音とシャキッとした高音を出す、これぞAXIAのテープという音質です。
ちょろっと見ているPS-Ⅱsは、まだダブルコーティングになる前の1988年頃のテープです。このテープは逆で、ブランドイメージとは裏腹に素直な音を出します。
さらに別の箱には、先程ちょろっと写っていた世代のPSⅡが大量です。カセットを逆さまに入れる独特なスリムケースが登場したのもこの頃です。PS-Ⅱsはちょっと良いグレードのPS、PS-Ⅱxは一番良いグレードのPSという意味と捉えて差し支えないです。
同じPSシリーズとはいえ、1990年頃からのダブルコーティング採用のPSと、それより前のPSでは全く音質が違います。ただ私個人的には、ダブルコーティングの方が本領発揮したAXIAのテープという感じです。
紛れ込んでいたレア品
大量のAXIAに埋まっていたソニーのUX-Pro。数あるハイポジションの中で、最強スペックを誇るテープです。パッケージからして1988~1989年頃の3代目UX-Proです。個人的にはメタルテープよりもUX-Proの方が好きです。ただ今回は未開封品で買っても恐らく塩漬け確定なのでスルーしました…
AXIAブランドの初期に販売されていた希少種、Masterシリーズです。Masterなだけに最高グレードのテープですが、売れなかったのが出回っている数がとても少なく、実物を見るのも簡単ではないかもしれません。
画像はハイポジションのSD-Master。ノーマルポジションはHD-Master、さらに希少種なメタルポジションがXD-Masterです。
1988年頃のAR-Xです。AR-X自体はさほどレアではありませんが、42分という長さはややレアです。46分でもなく、40分でもなく、中途半端な42分という…他にも52分や65分など、1980年代後半は半端な長さのテープが乱立していたようです。
主にCDからカセットテープに録音するのが流行り出した頃だと思いますが、やがて1990年代になると半端な長さのテープは、64分くらいに絞られていきます。さらに長尺だと100分というテープもありますね。
ちなみに74分や80分は、CDを満杯に記録するとそれくらいの長さになるので、半端という感じはあまりしないです。
大量のAXIAに同化するように紛れていたこちら。三洋電機のカセットテープです。これをご存じの方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか…?
店主の松崎さんでさえ全然見た事がないというくらい、激レア品だと思われます。もちろん私も見つけた瞬間、「何これ?」となりましたから…
パッケージ記載の解説によれば、『GENERIX磁性体採用』とあり、余計に謎が深まるテープです。今回2本購入しましたので、1本開封して特性を検証してみたいと思います。これは謎すぎるテープです。
使用済み中古テープのラインナップ
普段はこのような中古テープの方をメインに販売しています。いつもよりは少ないですが、美味しそうテープがありましたので何本か購入しました。
ぐちゃぐちゃに入っている箱の中から漁って、欲しい物を見つけたら松崎さんに値段シールを貼って貰います。
今回この箱の中に入っていた美味しい物は、1983年頃のマクセルXLⅡ(黄金ハーフのやつ)と、1984年のTDK SA(銀色ハーフのやつ)でした。HF-ESもありましたが、状態が悪く断念。
こちらは検品済みの中古カセットテープ。TDKのSA-Xが何本か並んでいました。磁性体のアビリンを二層塗りにしたハイポジションがSA-Xです。
カセットテープ御三家(TDK、マクセル、ソニー)で出していた最高グレードのハイポジションで、とにかくヒスノイズが少ない特徴を売りにしていたのがSA-Xです。
1本だけ並んでいるソニーのUCX-S、これが当時ソニーの最高グレードのハイポジションです。UCX-Sは最大磁束密度1800ガウスというハイパワーを売りにしていました。
ちなみに目安として磁束密度1800ガウスという性能は、メタルテープ並みに録音レベルを上げても平気なほどです。先ほど紹介したUX-Proは、それを超える2000ガウスですから、如何に超ハイスペックであるという事になります。
画像には写っていませんが、あとはマクセルのUDⅠ(1983年の銀のやつ)と、1981年のUDがありました。インデックスの文字を見た感じ、前回春に行った際の残りだと思います。
今回も談義で盛り上がりました
当日、個人的に私から声を掛けた方(会員様)も集まって、カセットテープ談義しながら今回も皆さんで盛り上がりました。
しかし若干困ったことに、カセットテープの話で盛り上がっていると思ったら、知らぬ間に鉄道の話になったり、自転車の話になったり、車の話になったり…共通の趣味がいくつも重なると、そっちで熱く語り合ってしまうというのが、私とお付き合いいただいている方に多いです。
それでも熱く語り合えるコミュニティを形成できるのは、私にとっては大変嬉しいですし、私の活動の本来の目的でもあります。これまでに何度か集まりを行っていますが、回数を重ねるごとにボリュームを増している感じです。特にYouTubeで紹介させていただいた、カセットデッキのオーナー様同士が顔を合わせると、どこか不思議な親近感がわきます。
カセットテープを専門としていますが、メカに関する事全般は大概興味あります。特に鉄道に関しては夜明けまで語れるくらいです。
本命はカセットデッキの修理ですが、共通の趣味で一緒に盛り上がりたい方には是非、スーパーカセッターズの会員に加入していただけたら幸いです。
次回は秋にまたお邪魔する予定です。
それではまた(・ω・)ノ