綺麗に録音するために…カセットデッキのバイアス調整

 

 

皆様こんにちは、西村音響店の西村です。

カセットデッキの基礎を学ぶ「カセットデッキのいろは」シリーズ。今回は第8回でございます。

 

第7回では、カセットテープの要の一つである録音で、最適な録音レベルの設定の仕方を解説いたしました。小さすぎてはノイズが耳障りになりますし、大きすぎては音が割れてしまうので、”小さすぎず大きすぎず“というのがポイントでした。

 

今回は録音レベルに続いて、これもまた録音で重要となるバイアスのお話です。

またまた、実際に音を聞いていただくコーナーがございますので、是非、ヘッドホン、イヤホンをご準備いただければと思います。

 

 

前回、バイアスとは何か、簡単にご紹介いたしました。

バイアスとは、

”高音の強さを調整するためのもの” 

でした。

 

 

ラジカセですと、カセットを入れて録音をするだけで、特に何も調整しなくとも録音ができます。そもそも、調整出来ないものが多いと思います。

しかし、高価なカセットデッキになってくると、今回の”バイアス”が調整出来るになります。このバイアスを、しっかりと調整することで、例えばCDからカセットテープに録音する時、CDにかなり近い音で録音することが可能になります。

 

 

それでは、バイアスの調整の仕方を見ていきましょう。

まずは、バイアスを調整するには、どこを触ればよいかです。

 

こちらのカセットデッキですと、バイアスの調整は、左から2番目のツマミです。このツマミを回すことで、高音の強さを変えることが出来ます。

バイアスの調整が出来るカセットデッキなら、「BIAS」と書かれた部分のツマミがありますので、探してみてください。そこのツマミを回していただければ、調整することができます。

見当たらない場合は、バイアスの調整がそもそも出来ない機種の可能性もあります。取扱説明書があれば、取説の録音方法のページを読んでいただくと、バイアスを調整出来る場合には、やり方が載っているはずです。

 

 

調整の仕方は、

・左に回す ・・・ 高音が強くなる

・右に回す ・・・ 高音が弱くなる

 

どのデッキでも、この操作は共通です。一部、スライド式の場合がありますのが、この場合も、左に動かせば高音が強くなり、右に動かせば高音が弱くなります。

 

それでは、実際にバイアスを調整すると、どう音が変わるかを見ていきましょう。録音レベルは、既に最適な設定にしているものとして、お話を進めていきます。

 

まず最初に、バイアスの調整を、真ん中の「0」位置した場合です。

♪バイアス「0」位置 (WAV形式 2.98MB)

 

「0」の位置に設定した時に、高音が強いか弱いかを、判断します。もし、「0」の位置で、思うような音でなかった場合は、「BIAS」のツマミを回して調整していきます。

3ヘッドのカセットデッキでは、録音と同時に、テープに記録された音を聞くことが出来るので、録音状態のまま「BIAS」ツマミを回すと、音が変わっていく様子が分かります。

2ヘッドのカセットデッキは、それが不可能ですので、「録音 ⇒ 巻戻し ⇒ 録音した音を再生 ⇒ バイアスを調整」を繰り返します。

一連の操作については、次の第9回でご紹介します。

 

 

それでは、バイアスを調整すると、どう音が変わるのか、実際に録音した音を聞いてみましょう。

 

まずは、バイアスの調整を、一番左の「最小」位置にしてみました。どんな音になるでしょうか。

バイアス最小位置 (WAV形式 3.02MB)

 

 

 

 

さて、どんな音だったでしょうか。おそらく、高音が強すぎて、少し耳が痛い感じがしたのではないでしょうか。この状態を”ハイ上がり”とも呼んだりしますが、高音が強すぎると、聴いていて疲れてしまいますし、耳にも悪いかもしれません。

ちなみに、バイアスのツマミを左に動かして高音を強くすることを、”バイアスを浅くする”と呼びます。

もう少し、物理的な話をすると、バイアスというのは、テープを磁化させるため(音を記録するため)の電流で、この電流の強さを変えることによって、高音の強さが変わります。

バイアスを浅くした場合、電流の量は減り、逆にバイアスを深くした場合は、電流の量は増えます。

テープによって必要な電流量が異なるので、録音するテープそれぞれに最適な設定をしてあげる事が必要です。

 

 

 

 

 

では今度は、逆に一番右の「最大」位置にしたら、どうなるのでしょうか。

バイアス最大位置 (WAV形式 3.02MB)

 

 

 

先程は、”バイアスを浅くする”操作でしたが、今度は逆にバイアスを深くする操作です。

バイアスを深くすると、逆に高音が弱くなります。さらに深くすると、籠った音になってしまいます。こんな音でしか録音出来なかったら、カセットテープの出る幕は無かったことでしょう。

 

 

いかがでしたでしょうか。

録音レベルでは、”大きすぎず小さすぎず” がポイントでしたが、バイアスでは、”深すぎず浅すぎず“ がポイントになります。

録音レベルもバイアスも、調整の仕方の基本は、ほぼ一緒です。

何度も録音で遊んでいるうちに、だんだんとコツが分かってくるので、試行錯誤しながら数をこなすのが一番良いかもしれませんね。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

次回は、録音レベルとバイアスの事を頭に入れた上で、実践的な録音の仕方をご紹介します。

 

 

第9回はこちら

 

 

 

今回、使用した音源は、魔王魂さまのサイトより、著作権フリーの音源をお借りしました。著作権フリーですので、ネット上でも実際にカセットデッキの音を聞いていただくことが出来ます。