皆様こんにちは、西村音響店の西村です。
この度もご覧いただき、ありがとうございます。
今回は新たなシリーズとして、TDKが世に送り出した最高級カセットテープMA-XGを使って、色んなデッキで音質をチェックするという企画をスタートします。
どちらかといえば、カセットデッキの方を評価していくスタンスになります。カセットデッキは十人十色、それぞれ特徴を持っていますので、MA-XGという最高のテープを使った条件で、カセットデッキの良い所や、音の魅力を感じていただけたらと思い、このシリーズを始めるに至りました。
その第1弾として、3ヘッドデッキのTEAC V-5000で再生してみます。実際の音をお聴きになれますので、ぜひヘッドホン・イヤホンをご準備下さい。
始めに、MA-XGについて簡単にご紹介しましょう。
MA-XGは、1985年ごろにTDKから、メタルテープの最上級グレードとして、発売されました。カセットテープ本体に、金属(アルミ)を採用するという贅沢な設計となっています。
カセットテープは一般的にプラスチックで作られています。しかし、MA-XGは金属を使っているため、手に取るととても重たいです。
アルミダイキャストを採用している点が、MA-XGの最大の特徴です。
MA-XGの先代には、MA-Rという名で、同じくアルミダイキャストを採用し、生産販売されていました。
アルミダイキャストを採用したカセットテープの集大成として登場したのが、このMA-XGだと思います。
さて、MA-XGの相手をするカセットデッキは、TEAC V-5000。録音と再生は同じデッキで行っています。いわゆる自己録再ですね。その音がどんな感じか、4曲ご用意しましたので聴いてみて下さい。
(音声は圧縮していませんので、ダウンロードに時間が掛かる場合がございます。ファイルは、48000Hz-16bit のWAV形式です。)
録音する時の様子ですが、メタルテープの録音目安である+7dBでは、まだ行けるだろうという余裕が感じられました。+10dBがピークになる位で丁度良さそうです。
グレードの低いメタルテープですと、バイアスを浅めにしなくてはならない分、レベルも抑え目にする必要があります。テープによっては、+5dBが限界の事もあります。
流石、最高級のテープだけあって、バイアス電流を増やせますので、録音レベルも大きく取ることができます。その結果、SN比・ダイナミックレンジを大きく取ることができます。
TEAC V-5000から出る音の特徴としては、個人的な感想にはなってしまいますが、低音域から高音域まで、偏りなくフラットに出ていると感じます。とても素直に出てくれると思います。癖の少なさから、このデッキを音の基準としています。
どんなジャンルの曲でも、万能にこなせると思います。音の聴きやすさにプラスして、録音機能も充実しているので、デッキ選びで迷っていたらV-5000がお勧めです。
左と右を独立して、バイアスの調整とレベルの調整が可能なのは、TEACくらいしかありませんし、その機能が中堅クラスにも搭載されていますので、とてもお買い得な1台だと思います。
私が初めて据え置き型のカセットデッキを手にしたのは、同じTEACで、V-1030という機種でした。3万円クラスですが、3ヘッドデッキです。
それから、V-3000を使って、V-5000に辿り着きました。ソニーやAKAIも使っていましたが、やはり素直に音を出してくれるTEACのカセットデッキは欠かせませんでしたね。
ずっとTEACを使っていると、だんだん物足りなくなってくると思います。そうしましたら、他のメーカーを使ってみて、音の違いを見つけてみるといった楽しみ方もあります。
すると、同じカセットデッキでも、音に違いがあるんだという魅力を感じることができ、カセットデッキの世界の奥深さを体感出来ることと思います。
皆様はどのような感想をお持ちになったでしょうか。
デッキ選びにお役立ていただければ幸いです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。