安いエントリークラスのカセットデッキの魅力とは。


 

 こんにちは、こんばんは。西村音響店の西村です。カセットデッキの基礎を学ぶ「カセットデッキのいろは」シリーズ、第19回となる今回は、安いカセットデッキをテーマにお話してみたいと思います。

 

前回のおはなし ≪クローズドループ・デュアルキャプスタン≫
 なぜクローズドループ・デュアルキャプスタンが音質向上に貢献しているかのメカニズムをご紹介しました。

 

 カセットデッキには、定価3万円台という安いものから、10万円以上の高級機、もっと上だと50万円なんていうものもあります。

 現在の中古市場でも、やはり各メーカの一番上のモデルがとても人気で、故障して使えないのにも関わらず高値で取引されています。特に当時の定価が10万円するモデルですね。定価10万円クラスになると、各社最高の音を求めた工夫が施されており、カセットテープなのにCDを再生しているかのような音質で再生出来てしまうくらいの性能を持っています。

 例えば、最も有名なソニーであれば、一番上のTC-K555ESAだと、動くもので4~5万円、壊れていても2~3万円くらいで取引されています。オークションで落札相場を調べてみると、その機種の人気ぶりが分かるので、落札相場の機能はとても便利です。

 1990年に発売されたSONY TC-K555ESL。落札相場を調べてみると、動くものでは3~4万円、壊れていても1.5~2万円で取引されています。(2018年8月24日現在)

 
 対して、定価が3~5万のいわゆる入門機(エントリーモデル)は、高級機ほど人気は無く、動くものでも1万円台で手に入れることができます。保証のないものであれば、安くて2~3000円ほどで変えてしまうこともあります。もっと人気がない機種なら、1,000円以下でも入手なことも。
 
 
 

安いカセットデッキだからといって、そこまで悪くはありません。

 

 さて、安いエントリーモデルのカセットデッキは、値段相応に性能も抑えられるという点は受け入れざるを得ず、どうしても高性能な高級モデルが欲しくなってしまうかもしれません。しかし、安いモデルには安いモデルなりの魅力があります。

 その魅力というのは、1台あたりの値段が安いから、高級機1台の値段で、エントリーモデルが2台買えるということです。

 例えば、録音用に3ヘッド方式のデッキ1台と、再生用にオートリバースのデッキ1台という組み合わせはどうでしょうか。具体的に機種を挙げるとしたら、TEAC V-2020SYAMAHA KX-W382です。

 V-2020Sは録音のセッティング(感度調整&バイアス調整)を補助するキャリブレーション機能を搭載しており、真剣に耳で聞いて調整しなくとも綺麗な音を録音できます。しかし、次の曲へ飛ばしたい時に使う選曲機能はついていないので、再生機能としては少し足りないかもしれません。また一方向しか再生できないので、片面が終わればカセットを裏返えす必要があります。まぁ裏返すのもカセットテープならではの楽しみではありますけどね。

 対して、KX-W382はオートリバースで、カセットが2本入る、いわゆるダブルカセットデッキです。また、選曲機能が付いているので、曲のスキップも可能です。オートリバースなので、片面が終われば自動的に裏面を再生してくれる。カセットを2本入れておけば、2本続けて再生もできる。何か作業をしながらBGMを流すには最適な1台です。ダブルカセットデッキなら他の機種もありますが、KX-W382の大きな特徴として、高音域を補正出来る機能がついている点があります。これを使えば3ヘッド方式のデッキに近い音を楽しむことができますので、ただ流すだけではなく、しっかりと音を楽しむことも出来ます。

 V-2020Sも3ヘッド方式なので再生性能は申し分ないです。むしろ再生専用の磁気ヘッドがありますから、補正機能なんか使わなくても音質が良いです。なにより僕がおすすめしたいのが、音の違いを見つけてみることです。カセットデッキは個性豊かで、あるデッキは金管楽器の音が美しかったり、あるデッキは重低音がどしどし出てきたりと、カセットデッキでも機種が違えば音も違います。その違いを楽しむのも、複数のカセットデッキがあるからこそ出来る事です。

 もう一つ、安いデッキの良い所を紹介しましょう。安いデッキは高級機に比べて構造が簡単な傾向があり、修理しやすいというメリットもあります。頑張れば自分でベルトを交換するなどして、修理出来ることもあります。高級機は動作音をより静かにするために設計を工夫している傾向にありますが、反面構造が複雑になりやすく、修理が難しかったり時間が掛かったりします。対してエントリー機は、動作音が少し大きい分、構造は簡単になっていることが多いです。動作音が大きいといっても、操作ボタンを押した時しか音がしないので、再生中に大きな音を発する心配はありません。

 
 

まとめ

 

 エントリー機は1台あたりが安いので複数台手に入れやすく、そして、複数台あれば個性豊かというカセットデッキの魅力を手ごろに楽しむことができます。高級機を1台買ってがっつり楽しむのも良し、安い機種を2台3台買って違いを楽しむのも良し。あなたにピッタリのスタイルで、カセットデッキを楽しんでくださいね。

 今回ご紹介した2台のカセットデッキの詳細は、オーディオの足跡様のサイトで紹介されています。ご興味のある方はチェックしてみてください。

 

☆こちらもおススメです。 TEAC R-606X

 オートリバースデッキで5~6万クラスながら、最も効果が強力なノイズリダクションdbxを搭載。中古でもあまり人気がなく、手ごろにdbxの効果を試すことができます。頭出し機能やプログラムなど、再生機能も充実した1台です。

 

以上、今回は安いカセットデッキの魅力をテーマにお話してまいりました。安ければ台数を稼げますから、存分に沼にはまってください。

今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。