カセットテープが両面使える仕掛けとは。

 

皆様こんにちは、西村音響店の西村です。

 

カセットデッキの基礎を学ぶ「カセットデッキのいろは」シリーズ。今回は第4回目、カセットテープが裏表両面使える仕組みを、解説していきたいと思います。

 

第3回では、カセットテープを、わざわざ裏返さなくとも、裏面の音が再生できる、オートリバースというものを紹介しました。

カセットテープって、片面を最後まで再生した後は、裏表ひっくり返すと思います。

はたまた、第3回でご紹介したオートリバースを使えば、再生ヘッドを回転させるだけで、裏面の音が再生できます。

 

では、裏面にすると、なぜ違う音を聞くことができるのでしょうか。

それは、一本のテープに、表側の音と裏側の音、両方記録できるためです。一体、どのように音が記録されているのか、ご一緒に見ていきましょう。

 

ちなみにカセットテープでは、表面をA面、裏面をB面と呼びます。英語だと、sideAsideBです。

 

まずはじめに、カセットテープに使われる磁気テープって、幅は何mmなのでしょうか。

 

 

 

正解は3.81mm。これは規格で決められています。この3.81mmの中に、A面とB面の音が記録されています。

具体的に、画像で示すと、下の画像のようになります。かなり簡素な説明ですが、黄色と緑の線が、記録されている信号だと思っていただければ結構です。

ご覧のように、テープの幅を半分ずつ使って、両面の音を記録しています。

そして、再生するときは、どちらか片方の音を、再生ヘッドが読み取ることにより、音が聞こえてくるという仕組みです。

テープの幅が3.81mmなので、半分の1.9mmずつ使えるかもしれませんが、実際は、1.5mmずつ使い、間に仕切りとなる0.8mmの空白が入れられています。

ぴったり半分使ってしまうと、例えばA面を上書きして録音するとき、反対のB面の音を消してしまう可能性があります。

既に音が入っているカセットテープに、また磁気を与えると、完全には消えませんが、記録されている音を乱してしいます。

また、再生するときも、反対側の音が混ざって聞こえてくるかもしれません。

ですので、A面とB面、1.5mmずつ使い、境目に0.8mmの空白を入れて、仕切りを入れているというイメージです。

 

 

でも、カセットテープに限らず、オーディオって、基本的にステレオで聴きますよね。

ですから、A面だけでも、左側の音と、右側の音を記録する必要があるでしょう。

それじゃあ、どうしましょうか。

だったら、画像のように、更に半分ずつ幅を分けてあげましょう。

カセットテープを、ステレオで録音しようと思ったら、左と右、両方の音を記録する必要があります。

先程、A面とB面で、1.5mmずつ幅を使っているとご紹介しました。それを、また更に半分に分けます。

すると、左と右で、0.75mmずつ幅を使えるということになりますが、ここでも、仕切りとなる空白スペースを入れなくてはなりません。

ですので、実際に音を記録するには、0.6mmずつ使い、間に0.3mmの空白が入れられています。

これらは、カセットテープの規格で決められていますが、楽しむ分には、何mmずつ幅が使われているかは気にしなくても大丈夫です。

テープの幅を4分割して、音が記録されていると思っていただければOKです。

 

オーディオでは、ステレオが基本ですが、モノラルでカセットテープを使う場面もあります。

主に会議など、人の言葉を記録するだけであれば、言葉さえ解れば十分なので、無理にステレオにする必要はなく、むしろモノラルの方が、電気回路などの構造を簡単にできるので、コストの削減も可能になります。

 

元々、カセットテープは、人の言葉を記録するためのツールで、カセットテープが出始めて間もない1960年代は、オーディオ用途では、リールとテープがむき出しで、テープの幅が太い、オープンリールという物が主流でした。

それから、カセットテープと、録音をするカセットデッキの性能が、どんどん向上したことにより、オーディオ用途でもカセットテープが使われるようになっていきました。

 

 

まとめ

カセットテープは、3.81mmの幅を4分割して、音を記録している。

 

 

次は、同じカセットテープでも、種類によって音質が違うお話です。

 

第5回はこちら

 

カセットデッキのオートリバースとは何ぞや?

皆様こんにちは、西村音響店の西村です。

 

カセットデッキの基礎を学ぶ「カセットデッキのいろは」の第3回。今回は、オートリバースについて取り上げます。

 

第2回では、2ヘッドと3ヘッドの違いについて、取り上げました。2ヘッドは、録音と再生を1つのヘッドで行い、3ヘッドは、別々のヘッドで行うという違いを解説しました。両者を比べたら、「3ヘッドの方が、音質は良いし、録音した音を同時に再生できるから、圧倒的に有利だ」という結論になったかと思いきや、2ヘッドにも戦略があるとの事。

ということで、今回は、2ヘッドの武器である、オートリバースについてです。

 

こちらの画像をご覧下さい。

①録再ヘッド ②消去ヘッド

広い意味では2ヘッドのカセットデッキですが、キャプスタンとピンチローラーが、左側と右側、両方にあります。通常、テープは、向かって左から右へ送られていきます。この時、右側のキャプスタンとピンチローラーを使って、テープを送り出しています。

最後まで再生が終わると、普通はカセットテープを取り出して、裏返して入れて、反対側を再生します。

でも、わざわざ裏返すのは、面倒くさい!

これを解決するのが、オートリバースです。単に、「リバース機」などと呼んだりもします。

 

では、カセットを取り出さずに、反対側を再生するには、どうすればよいか。

実は、オートリバースのカセットデッキは、ヘッドが回転します。

こちらの動画です。真ん中の録再ヘッドが回転します。同時に、ピンチローラーも、左右切り替わります。

録再ヘッドを180度回転させることで、反対側の音を再生することができます。そして、普通の再生では、右側のキャプスタンとピンチローラーを使っていましたが、今度は左側を使うことで、右側から左側へ、逆方向にテープを送ることができます。

 

実際にテープを入れて再生すると、こんな感じに動きます。

 

 

キャプスタンにも、オートリバースには欠かせない仕掛けがあります。左側のキャプスタンと、右側のキャプスタンは、画像のように、互いに違う方向に回転しています。そうすることで、どっちのピンチローラーを使うかで、テープを送りたい方向へ送ることが可能になります。

 

次は、カセットテープが裏表使える原理を解説します。

To Be Continued…