ベータマックス SL-HF3000 の修理 映像は出るのに音が出ない

 

今回はベータマックスの修理の様子です。

ベータマックスの中でも、ベータプロと称される、編集に特化したSL-HF3000です。

機械的な部分は、イジェクト機構が少し不調だっただけですが、なるべくあって欲しくない、電気系の故障を患っていました。

再生すると映像はきれいに映るのに、なぜか音が出ない。Hifi(ステレオ)だけでなく、ノーマル(モノラル)音声も出ません。音声信号の回路に異常があると推測し、確認してみました。


伝送路を順にたどって、信号が通っているか確認しましたが、異常はありません。さらに回路をじっくり眺めていると、一つの部品が目に留まりました。

 

こちら、電子工作をやっている方ならご存知の、三端子レギュレータです。テスターだけでなく、電流が大きく流れる部品に関しては直接手で温度を確認します。

そうです。この7809を触ってみると冷たかったのです。そこでテスターで電圧を測定すると、6.3V程度しか出力されていませんでした。通常9Vを出力するはずなので、故障の疑いが強いです。

その後、新しい7809に交換しました。はたして結果は….

 

大正解でした。

ちなみに、どんな機種でも同じように考えることが出来ますが、音声・映像信号が、微小なノイズすら無い場合は、元の電源が壊れている可能性もあります。

電源が壊れると、その電源で動作する全機能が使えなくなりますので、いくつ機能が駄目になっているかで、ある程度故障のタイプが判定できるかと思います。
こういった電気系統の故障の場合、故障した部品を特定するため電気測定が必要になります。感電やショートなどの危険を伴いますので、十分に注意が必要です。

電気系の修理は難易度が高くなりますが、無事治ったときの感動は大きいです。

 

実験用カセットデッキ A&D GX-Z6100の修理

 

先日、ヘッドを交換する実験のために入荷したTEAC V-1030に続き、AKAIのスーパーGXヘッドを搭載した、GX-Z6100の修理を行いました。

ヘッド交換の音質変化の調査は、V-1030のハードパーマロイヘッド、V-5000のアモルファスヘッド、そしてGX-Z6100のGXヘッドを、相互交換して行います。
このGX-Z6100も単なる部品取り機ではなく、GXヘッドではないヘッドに交換して実験を行うので動作できるように修理をしておきます。

それでは、修理の様子をご紹介いたします。

作業記録で撮影した画像を掲載しているので、見づらい部分がございますが、なにとぞ、ご容赦ください。

故障箇所はよくあるキャプスタンベルトの溶断です。前面パネルは上側と下側をネジで固定しているだけで、簡単に外せます。

 

メカを取り外す前に、ケーブルのコネクタを抜いておきます。メイン基板側にある、消去・録音・再生ヘッドのケーブル、カムスイッチ用のケーブル、メカに接続されている、モーター用のケーブル、ポジション検出信号のケーブル、すべて抜いておきます。

 


ケーブルをすべて抜いたら、メカの取り外しに掛かります。GX-Z6100のメカの固定方法は少し変わっていて、4本のネジを水平方向に固定しています。例えとしては、壁にボルトで四隅を固定するという感じです。

取り外しは、まずシールド板を固定しているラッチをこじって抜き取り、そして四隅を留めているネジを外します。

 


ネジを外したら、背面に向かって引き抜けば、このように取り外すことができます。

GX-Z6100はAKAI独自のメカではありませんが、このコンパクトサイズながら、クローズドループ・デュアルキャプスタンで、メカ自体がとても軽量ですので、作業がとてもしやすいです。
次にキャプスタンモーターを取り外しますが、前面にも固定しているネジがあります。バックテンション用の部品が邪魔なので、これも外しておきます。

 

背面からは、ネジは3本あります。モーターだけなら下側にある2本のネジを外せば外れますが、キャプスタンホイールにゴムが溶着してしまっているので、基板も外さなければ、キャプスタンを外すことが出来ません。 基板の取り外しにはモーターとポジション検出スイッチも外す必要があります。これには半田ごて、半田吸い取り器具が必要です。

 

このように外れたら、キャブスタンと、ベルトプーリーをエタノールで掃除して、新しいベルトを張ります。使用するベルトはΦ75mmの平ベルトです。φ70mmも使えますが少し張り具合が強くなります。バックテンション用のベルトも忘れずに取り付けます。こちらはφ20mmのベルトで、リール回転のセンサーの基板を外して、リールとプーリーにベルトを掛けます。

 

逆の手順で組み立てて完了です。

再生速度もずれていれば、キャプスタンモーターの速度調整を行います。 今後、しばらくこのまま動作をさせた後、実験に移ることにしています。まずは様子見というところですね。

比較的安い機種ですが、諦めて捨ててしまうのはデッキにとって残念なことです。ぜひ復活させてあげましょう。