西村音響店

カセットのメタルテープとは?どんな音質?

 

カセットテープで一番音がいいテープといえば!

『メタルテープ』

なぜメタルという名前が最も高いグレードになっているのかが、若干不思議に思うところですが。

原材料に鉄を主とした合金が使われていることから、メタルと名付けたのかもしれません。由来に関する情報があまりなく、僕も詳しいことはよくわかりません。でもそんなことを言ったら、ノーマルテープもハイポジも原材料に「メタル=金属」が使われていますからね。

さて、カセットテープの中でも特に希少価値が高いメタルテープですが、一体どんな音質なのか。よく「メタルテープは音質がいい」と言われますが、対応している機器をもっていなかったり、テープが高価でなかなか手を出せなかったりなどと、いままでに聴いたことがない方も見えるかもしれません。

そこで今回は、カセットテープの基本的な種類であるノーマルテープの音と比べながら紹介したいと思います。

 

 

まずは聴き比べ!

早速ですが、ノーマルテープとメタルテープで音を聴き比べてみましょう。ぜひヘッドホンやオーディオに接続してお聴きください。

今回使用するテープはこちら。

ノーマルテープ vs メタルテープ

ノーマルテープは音楽用としてロングセラーだった、TDKのADというテープです。音楽用なのでノーマルテープの中でも音質が良いテープです。一方、メタルテープはTDKのMAというテープを使います。MAはメタルテープの中でも王道なテープです。

録音と再生をするデッキも、相応の性能を持ったものを使います。そうでないと、特にメタルテープの場合は性能を発揮しきれません。

※できるだけ生に近い音でお届けするために、無圧縮音源(WAV形式)でもご用意しています。通信環境が良い方はぜひ無圧縮音源でお聴きください。

ノーマルテープ

【MP3(320kbps 3.4メガバイト)

【WAV(96kHz-24bit 55.5メガバイト)

メタルテープ

【MP3(320kbps 3.4メガバイト)

【WAV(96kHz-24bit 55.9メガバイト)

 

ノーマルテープとメタルテープで差が出る主なポイントは2つです。

  • 音量(録音レベル)
  • 高音の鳴り方
  •  

    1つの音量(録音レベル)ですが、カセットテープにおいては出来る限り大きい方がよいです。小さすぎるとノイズが目立ってしまいます。とはいえ、逆にとにかく大きくすればよいというわけでもありません。カセットテープには音量の限界があります。

    メタルテープはその限界が高く、大音量の録音でも音が割れたり歪んだりしにくい点が特徴です。メタルテープが持つポテンシャルをしっかり活かすには、まずは限界ギリギリまで音量を大きくできるかがポイントになります。

    もう1つの高音の鳴り方ですが、こちらもメタルテープの方が有利です。ノーマルテープでも、音楽用のものであれば遜色ないくらい高音がはっきり出ますが、メタルテープと同じような大きな音には耐えられません。

    仮にノーマルテープと同じ音量で録音しても、メタルテープの方が余裕がある感じがしますね。高音域がはっきりと出るのは圧倒的にメタルテープです。

    メタルの方が録音できる最大音量が高い

    しかし、音質が良いからと言って何が何でもメタルテープを使えばよい、というわけではありません。昔も今も、メタルテープは高価です。

    例えば、ピアノしか登場しない曲にメタルテープを使うのは…ちょっとテープがオーバースペックですね。ノーマルテープでも十分と言いたいところですが、静かな曲調の場合はテープのノイズが目立ちやすくなります。こういった場合は、ノイズが少ないハイポジションテープ(ハイポジ)がベストです。

    逆にユーロビートやロックなど、低音も高音も激しい曲にはメタルテープが合います。さらに、メタルテープもハイポジと肩を並べるくらいノイズが少ないです。ノイズの少なさと大音量に対応する利点を活かして、オーケストラの録音も得意とします。

    個人的には感想になりますが、ビートルズやカーペンターズなどのオールディーズ系は、逆にノーマルテープの方がイイです。音よりも歌が大事ですからね。

     

    低価格のメタルテープってどう?

    ノーマル・ハイポジ・メタル、3種類に共通して言えることなのですが、実は同じテープの種類でもグレード分けがされています。

    極端な例で言うと、「1本100円のテープと1本400円するテープ、どっちが良いですか?」という話です。当然ながら400円のテープの方が音はイイですね。

    そこで気になるのが、低価格のメタルテープです。「高音質なメタルテープもいいけど、やっぱり高い! だったら安いメタルテープにしよう。」となるわけですが、対するは高級ハイポジションテープ

    安いメタル vs 高級ハイポジ

    用意したのはどちらもソニーのテープ。UX-Pro(高級ハイポジ)とCDixⅣ(安いメタル)です。果たしてどちらがイイ音で録音できるでしょうか。

    百聞は一聴に如かず。

    実際に録音してみました。

     

    安いメタルテープ

    【MP3(320kbps 3.4メガバイト)

    【WAV(96kHz-24bit 55.8メガバイト)

    高級ハイポジ

    【MP3(320kbps 3.5メガバイト)

    【WAV(96kHz-24bit 56.3メガバイト)

    どちらのテープも録音の音量はほぼ同じという結果に。

     

    驚いたことに、高級ハイポジの方がイイ音で録音できてしまう結果になりました。

    最初に聴いていただいたTDKのメタルテープのように、録音レベルを上げようとしても音が歪んでしまいます。逆に高級ハイポジは、録音レベルを結構上げても余裕がある感じがします。

    さらに高音域の鳴り方に関しては、高級ハイポジの方が良いという結果に。

    ちなみに、高音域を強めたいときにはバイアス調整という方法があります。しかしメタルテープの場合、バイアス調整の効果があまり得られないことがあります。詳しいことは割愛しますが、多少のバイアス調整では音質が変わりにくいというメタルテープの特性が要因です。

    ソニー以外にも低価格のメタルテープを展開されていました。メーカーによってテープの性能が異なるので一概には言えませんが、低価格のメタルテープの場合、期待通りの音質が得られない可能性もあります。

    いわゆる、

    『なんちゃってメタル』

    です。

    一般的には、ノーマル < ハイポジ < メタル の順で音質が良くなっていくといわれていますが、テープのグレードによっては必ずしもそのようにならないこともあります。

     

    ここという時にメタルテープ

    3種類のカセットテープの中では最も高価ですが、音質面では最高ランクに位置します。

    「音質を重視したければとりあえずメタル!」と言いたいところですが、録音する曲や聴くシチュエーションによっては、必ずしもメタルテープの恩恵が受けられないこともあります。

    例えば、それほど大きくない音量でBGMとして流す場合です。音を大きくしなければテープのノイズすら聞こえないので、ノーマルテープでも十分間に合います。

    逆にオーディオセットやヘッドホンで気合を入れて聴くシチュエーションでは、メタルテープの特徴である音の迫力がよく判ります。

    カセットテープの音というと、温かい音(?)というイメージがあるのでしょうか。そんな風に紹介されているのを見た覚えがありますが、限界を攻めて録音されたメタルテープは、良い意味でカセットテープの音ではなくなります(笑) 「こんな音が出るの!?」とビックリするくらいの音が出ます。

    カセットテープは使うテープで大きく音質が変わり、値段に比例して音質が良くなっていきます。しかし、メタルテープはもう製造されていないため、中古でも希少価値が高いです。

    残念ながら手軽に使えるテープではなくなってしまったので、使いどころを見極めて、ここぞというときにメタルテープを召喚するといった使い方をしますね。

    ではまた(・ω・)ノ

     

    使用機材

    デッキ

  • TEAC V-870 (1987年製) ⇒レンタルでご提供中。詳しくはこちら

    テープ

  • TDK AD (1990年ごろ)
  • TDK MA (1990年ごろ)
  • SONY CDixⅣ (1995年ごろ)
  • SONY UX-Pro (1985年ごろ)
  • 使用楽曲

  • 音作品創作工房ナッシュスタジオ MN-M-0427
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