高級モデルのカセットデッキになると、ほぼ必ずと言っていいほどこのキーワードが出てきます。
3ヘッド
読み方は「スリー・ヘッド」です。
文字通り、3つのヘッドが使われているという意味で、「3ヘッドカセットデッキ」「3ヘッド機」などと呼んだりします。
それに対するのは2ヘッドです。
今回は、2ヘッドと3ヘッドの違いや長短をご紹介していきたいと思います。
2ヘッド
カセットデッキで最も基本となるのが、この2ヘッドです。録音と再生を1つのヘッドで行い、消去を専用のヘッドで行うというものです。
再生の時は、①のヘッドで記録された音を読み取ります。録音の時は、「音を消す工程」と「音を記録する工程」の2工程あるので、ヘッドが2つ必要です。②のヘッドで一旦テープに記録された音を消し、①のヘッドで音を記録します。
また、②の消去ヘッドが専用で用意されていることにはもう一つ理由があります。それは、音を消す工程にはかなりのエネルギーを使うからです。
400字の原稿用紙を思い出してください。白紙の原稿用紙に文字をびっしり400字書く作業と、びっしり400字書かれた文字を全部消しゴムで消す作業、どっちが大変ですか?
これと同じようなことがカセットテープにも言えます。カセットテープの録音は、ヘッドに電流を流すことでテープに磁気を与えるという仕組みですが、消去ヘッドにはその何倍もの電流が流れています。
2ヘッドの特徴
・録音と再生を1つのヘッドで兼用している
◎コストが安いので低価格帯のデッキやラジカセなど広く使われている
◎ヘッドとテープの接触具合(ヘッドタッチ)がよい
◎オートリバースが容易
△ヘッドが兼用できるように設計されているので、3ヘッドに比べると音質で劣る
3ヘッド
先ほどの2ヘッドは、1つのヘッドで録音と再生を行うものでした。しかし、より高性能なデッキでは録音用と再生用でヘッドが別々に設けられます。基本的には、2ヘッドよりも音質が良いです。
2ヘッドでは、録音と再生を兼用できるようにバランスを考慮する必要がありますが、3ヘッドはそれぞれ専用に設計を行うことができます。再生専用のヘッドであれば、再生することのみに最適な設計になっていますので、音質も一層良いものとなります。
さらに、ヘッドが録音用と再生用が別々になったことで、3ヘッドの特権である録音同時モニターという機能が使えます。
例えばラジオやCDからカセットテープに録音しているとき、ちゃんと録音されているかは終わるまで分かりません。
そして録音が終わったら、テープを巻き戻して再生して確認するといった事をすると思います。現像するまで分からないフィルムカメラのような感じです。
一方、3ヘッドはその必要がありません。
録音中は録音用のヘッドが使われていますが、3ヘッドの場合、すぐ隣に再生用のヘッドがあります。録音中だけど再生ヘッドを遊ばせておいては勿体ない!
そこで、録音された音をすぐ隣のヘッドで拾って再生したらどうでしょう。録音しながらでもテープに記録された音を確認できるようになります。
これが録音同時モニターです。
3ヘッドの特徴
・録音用と再生用でヘッドが別々に設けられている
◎2ヘッドよりも音質に優れる
◎録音した音をリアルタイムで確認できる(録音同時モニター)
△コストが高く、高級機種に限られる
△ヘッドタッチが不安定になりやすくドロップアウトが発生しやすい(特に低価格の3ヘッドデッキ)
※ドロップアウト=瞬間的に音が小さくなる現象
まとめ
「2ヘッド」「3ヘッド」というキーワードは、基本的には磁気ヘッドの個数を指します。(例外もあります)
では「1ヘッド」はあるのか?と気になるところですが、実はあります。消去ヘッドが無くなるので再生専用のデッキになりますが、あります。カセットウォークマンが良い例です。
ただ「1ヘッド」とはあまり呼ばず、「再生専用」と呼ぶ方がメジャーでしょうか。そもそもカセットデッキは録音ができるものが殆どですので、あまり使わないキーワードです。
まとめると、2ヘッドは実用性を重視した方式、3ヘッドは音質を重視した方式といえます。でも中には、2ヘッドでも3ヘッド並みの音質を実現する、かなり変態なデッキも存在します。
基本的には3ヘッドの方が音質は良いですが、侮れない2ヘッドも存在しますので要注意です。
ではまた(・ω・)ノ