カセットデッキ「アジマスが狂う」とは、こんな音。調整もご紹介。

こんにちは。西村音響店でございます。

今回のテーマはアジマスです。

ネジを回すだけで調整ができるので、ちょっと試してみたくなる方も見えるかもしれません。

「カセットデッキ アジマス 調整」と検索された方は、ヘッドを綺麗にしても音がイマイチでお悩みかと思います。

 

今回は、実際に音を聴いていただきながら、アジマスについて深堀りしていきます。

 

 

そもそも、アジマスとは?

極端に言えば、アジマス=ヘッドの調整です。

説明がややこしい単語の1つでもあります。書籍によっても、説明の表現が異なります。

「テープに対するヘッドの方位、ヘッドの角度、左右前後の傾き、etc…」

でもやっていることは、ヘッドの調整に変わりありません。ですので、アジマス=ヘッドの調整と覚えていただいて大丈夫です。

 

ただ、この記事をご覧の方で、自分で調整をしようと考えていらっしゃるかもしれません。

もう少し具体的に説明すると、このようになります。

まずヘッドを真上から見ます。真上から見たときに、横方向の直線に対してどれくらい角度が付いているか。これをアジマスと呼びます。

 

つまり、テープに対してヘッドがどれくらい斜めになっているかです。調整用のねじを回すと、平行になったり斜めになったりと、ヘッドの角度が変わります。

 

参考:アジマス(azimuth)という単語について

我々カセットテープのユーザーは、何気なく「アジマス=ヘッドの調整」の意味で使っていますが、元々の意味を確認すべく英和辞典で引いてみました。

元々は天文学の用語で、「方位」を意味するそうです。東西南北の方位です。

念のため、3冊の辞書で調べてみました。すると電気工学の用語として載っていたのはうち1冊だけ。天文学としての意味合いが強そうな印象を受けました。

ちなみに発音するときは先頭にアクセントを付けます。「ジマス」です。

 

 

「アジアスが狂う」とはこんな音

アジマスが狂うと、音が籠ります。

早速ですが、正常な状態と、狂った状態を聞き比べてみてください。

【アジマス正常】

【アジマス狂い】

ここでは分かりやすいように、極端に調整をずらしました。実際はここまで酷い音になっていることは少ないです。普通に聴けてしまうために、アジマスずれに気づかないことの方が多いと思います。

 

それではアジマスを調整しながら再生すると、どんな風に聴こえてくるのか?やってみましょう。

あなたのデッキでも、調整しながら再生するとこのように音が聴こえます。

【アジマス徐々に変化】

※動画バージョンでは、調整の様子を映しながら音を聞いていただけます。ぜひご覧ください。

調整のしかた自体は至ってシンプルです。

ドライバーを突っ込んで中のネジを回すだけ。

ただし、闇雲にネジを回そうとすると痛い目に遭います。

 

 

調整用のネジがある場所の見つけ方

アジマス調整において、最も気を付けることがあります。それが、回すネジを間違えてはいけないことです。

録再ヘッドは、ばねを噛ませてネジで固定されています。このネジを緩めたり締めたりすると、ばねによってヘッドが動くという仕組みです。

しかし、デッキによってネジの位置や本数が異なります。つまり調整で回すネジもデッキによって異なるわけです。

ここでは代表的なパターンをご紹介します。

 

ネジ2本で固定されているタイプ

最もシンプルな固定方法です。安価なグレードのデッキに多く見られます。左右1本ずつネジで固定されており、どちらかにバネが噛まされています。

アジマスを調整するには、バネが噛まされているネジを回します。このデッキの場合、回すネジは①です。

ワンウェイの2ヘッドに多いパターンですが、一部3ヘッドの廉価モデルにもこのパターンが採用されています。

 

ネジ3本で固定されているタイプ

こちらは3ヘッド方式に多いパターンです。しかも、全てのネジにバネが噛まされているので、どれを回したらよいか判りません。

でもご安心ください。見分け方があります。

 

まずは、ネジの位置を確認しましょう。

左側に1本、右側に2本という配置になっています。

この場合、アジマス調整で回すのは左側にある①のネジです。

②と③は触ってはいけません。

 

では逆のパターンだったらどうでしょうか。

左側に2本、右側に1本という配置です。

この場合は、右側の③のネジを回すとアジマスを調整できます。

①と②は触ってはいけません。

 

なんとなく法則性があるように見えましたでしょうか。

ネジ3本のパターンは、1本で固定されている側のネジを回すことでアジマスを調整できます。

 

さて、途中で触ってはいけないネジもお伝えしました。このパターンで最も気を付けなくてはならないポイントです。

これらは煽りと高さを調整するネジです。テープとヘッドの接触具合を調整するときに回します。

触ってはいけない最大の理由は、テープの走行に影響を与えるためです。不用意に調整してしまうと、テープが真っ直ぐ送られなくなり、傷を付ける原因になります。

一方、アジマスはそれほど影響はありませんので、仮に大きく調整をずらしてしまったとしても元に戻しやすいです。音が籠っていればずれていると容易に判断できます。

 

続いては、特殊なパターンをご紹介します。

サードパーティ製メカニズム

メカニズムのみ他社製のものを使用しているデッキが当てはまります。

正確には把握していませんが、1980年代後半以降のデッキに見られるパターンです。

矢印で指したネジを回すとアジマスが変わります。

録再ヘッド自体は2本のネジで止まっているので、間違えないように注意です。ヘッドの周りにネジがごちゃごちゃ付いていたら、このパターンを疑ってください。

 

オートリバースデッキ

表面と裏面、それぞれにアジマスの調整が必要です。

このデッキは、左側が表面、右側がウラ面のアジマスです。デッキによっては逆の場合もあります。

どっちが表で、どっちウラなのか判らないときは、ヘッドの回転を見ます。オートリバースは、ウラ面を再生するときにヘッドが180度回転しますので、回転方向をチェックしてください。

・時計回り ⇒ 左:表面  右:ウラ面
・反時計回り⇒ 左:ウラ面 右:表面

 

マルチトラックヘッドを使ったリバースデッキは該当しません。この類はそもそもヘッドが回転しないので、ネジ2本または3本のパターンに該当します。


 

ご紹介したもの以外にも、特殊なパターンがあります。

万が一、不必要なネジを回してしまった場合に備えて、回した角度を記録しておくと安全です。ドライバーにマジックで印をつけておくと、回した角度が一目でわかります。

 

 

まとめ

カセットテープを最高の音で再生するなら、アジマス調整が不可欠です。

より正確に調整するにはテストテープを使いたいところです。入手が難しいことも理由の1つですが、もっと正確に調整する方法があります。

それは、

 

DRAGONを真似してください。

 

DRAGONは、テープ1本1本再生するたびに自動でアジマスを調整します。この作業を手動で我々が行えば、どのようなデッキでも最高の音で再生できます。

究極の調整方法です。

 

ヘッドは綺麗になっていても音が悪い。そんなときは、ねじをちょっと回すと音がよくなるかもしれません。

ただし自己責任で行ってくださいね。

 

動画バージョン