最終更新:2025/1/28
概説
C-3Xの特徴を一言でいうと「ごつい!」 一見、業務用とも思わせるデザインです。針式のメータと、前面にある3つのボリュームの組み合わせは、業務用デッキでも採用されています。1990年代に入っても、業務用のTASCAM(タスカム)はこのデザインです。112MKⅡ、112R MKⅡ、122MKⅢまで引き継がれています。
音質や性能もたいへん優秀です。録音/再生ヘッドには、摩耗に非常に強いフェライトヘッドを使っています。摩耗に強いだけでなく、人間がぎりぎり聞こえない音もこぼさず拾ってくれます。1980年のデッキとは全く感じさせない音で、CDの音とそん色ないくらいです。
テープのポジション、バイアス、イコライザーなど、設定はすべて手動で、少々マニアックな側面も持っています。1980年初頭は。手動で切り替えるものが多いので、懐かしさも持っていることでしょう。
そして、C-3Xで忘れてはいけないのが倍速録音です。テープを2倍の速度にすることで、人間の可聴域以上の音も録音できます。今で言うハイレゾの音域をカセットテープでやってのけることが出来るという、優れものです。
TEAC C-3Xの構造&搭載機能
| ヘッド | 3ヘッド方式(録再:HDフェライトヘッド) |
|---|---|
| メカニズムの駆動 |
ソレノイド駆動 |
| キャプスタンの回転 | FGサーボDCモーター |
| テープの走行方式 | シングルキャプスタン |
| カセットホルダの開閉 | 手動式 |
| スタビライザー | なし |
| テープセレクター | 手動(BIAS/EQ独立式) |
| ノイズリダクション | ドルビーB(別売りユニットでdbxにも対応) |
| ドルビーHX-Pro | ※HX-Proとは異なるが似た機能を装備 |
| 選曲機能 | なし |
| メーター | 針式ピークレベルメーター |
| ライン入力 | RCA端子1系統・マイク入力 |
| ライン出力 | RCA端子1系統(レベル可変) |
| キャリブレーション機能 | あり(録音感度・バイアス) |
| カウンター | 機械式 |
| その他の機能 |
|
TEAC C-3Xの特徴・利点・欠点
◎耐摩耗性に優れるフェライトヘッド
◎ラックマウント可能なデザイン
◎左右独立のキャリブレーション(調整範囲も非常に広い)
◎Cシリーズの中で別売プラグイン不要でキャリブレーション可能
○9.5cm/sモード搭載(テープを倍速で走らせてエルカセット並みに音質を上げる)
○整備性が非常によい(メカの構造がシンプルで分解整備もしやすい)
○音質は非常に素直で癖がない
△別売オシレーターが無いとキャリブレーションが難しい(今はパソコンやスマホでも代用できる)
△ピークレベルメーターの動きが速すぎて見づらい
△ドルビーNR使用時はMPXフィルタ強制ON
録音サンプル
テープ:RTM C-60(現行品)
ノイズリダクションOFF
音源:Nash Music Library
【フュージョン・ロック】容量53.0MB
96kHz-24bitのためデータ容量が多くなっています。ご注意ください。
外観の詳細画像
【前面左側】 |
【前面右側】 |
【メーター】 |
【入出力端子】 |
【別売dbxユニット用端子①】 |
【売dbxユニット用端子①・有線リモコン接続部】 |
【電取法に基づく表示・電源コード】 |
【ヘッド部分】 |
デッキの内部
オープン・ザ・キャビネット

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【メイン基板全景】 |
【再生ヘッドアンプ回路】 |
【再生用ドルビーNR回路】 |
【メーター回路】 |
【録音ヘッドアンプ回路】 |
【バイアス発振回路】 |
【メカ用ロジック回路】 |
【録音用ドルビーNR回路】 |
【電源回路①】 |
【電源回路②】 |
【メカニズム】 |
【】 |
デッキの分解画像
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![]() 【部品を全て外したメカベース】 |
![]() 【ヘッドブロック裏側】 |
![]() 【ヘッドブロック取付】 |
![]() 【リール駆動軸,ピンチローラー 取付け後】 |
![]() 【メカ後部・可動部分】 |
![]() 【駆動用ソレノイド】 |
YouTube動画でも紹介しました
これまでの作業実績
2021年12月 茨城県 フナノ様

2018年3月
































