カセットテープで最適な録音レベルは?【初心者向け】

 

皆様こんにちは、西村音響店の西村です。

カセットデッキの基礎を学ぶ「カセットデッキのいろは」シリーズ。今回は第7回でございます。

 

第6回では、カセットテープの中でも、一番音が良いとされるメタルテープとはどんな音質か、実際に耳で聞いていただきました。もちろん、メタルテープの方が音は良いですが、ノーマルテープは厚く温かみのある音で、メロディーが聞きやすいという特徴も持っているというお話でした。

 

今回は、いくら良いカセットテープでも、録音が疎かでは、再生でも良い音はしないということで、カセットテープの要の1つである録音について取り上げます。

今回も、ご覧の皆様に実際に音を聞いていただくコーナーがございますので、是非、ヘッドホン、イヤホンをご準備下さい。

 

さて、「CDをカセットテープに録音するには、どうすればいいですか?」と訊かれたとき、どう答えたらよいでしょうか。

録音の仕方を教えてほしいとの事ですから、

 

 

「カセットを入れて、CDを再生して、録音ボタンを押すだけ!」

 

これでも、正解なんですが…

 

少なくとも、本当にカセットテープを楽しみたい方にとっては、これでは満足できないでしょう。

私自身、今ではラジカセで、カセットテープに録音することは滅多にありませんが、久々にやってみました。ラジカセで録音すると、こんな音がします。

♪ラジカセで録音した音(WAV形式 5.97MB)

 

ただ録音するだけなら、良いかもしれません。案外、これで満足してしまうかもしれません。

しかし、カセットテープは、こんなものじゃありません。

カセットテープに本気を出してもらうために、より高音質な録音の仕方を、ご一緒に見ていきましょう。

 

 

 

まず、高音質な録音の仕方で、重要なキーワードが2つあります。

 

・録音レベル

録音レベルとは、その名の通り、録音の音量です。レベルという言葉が出てきましたが、レベル=音量と思っていただいて結構です。音響の用語では、音量のことをレベルと呼びます。

 

・バイアス

ちょっと難しい言葉ですが、難しく考えず、ここでは高音の強さを調整するためのものと覚えて下さい。本当は、もっと深い役割があります。が、説明すると訳わからなくなってしまうと思うので割愛します。

ちなみに、バイアス(Bias)という単語は、「偏り」という意味を持っているそうです。しかし、電気の世界では、バイアスのことをゲタ(下駄)という意味合いで使われます。”ゲタを履かせる=嵩上げする”という意味で使われます。

 

 

それでは、2つのキーワード「録音レベル・バイアス」を頭に入れて、具体的な録音の仕方を見ていきましょう。

今回は録音レベルの設定です。

 

 

カセットデッキには、音量を示すメーターが付いています。メーターには、画像中の〇で囲んだ表示のように、最適な録音レベルの目安が表示されていますので、これを参考にしながら、録音レベルを設定していきます。

ポイントは、小さすぎず、大きすぎず

 

このカセットデッキの場合、目安となるレベルは、+3です。

どういう事かといいますと、例えば、とある曲で、サビの部分が一番盛り上がるとしましょう。そうしたら、サビの部分が来た時に、メーターが+3まで振れれば丁度良い、といった具合です。

もし、+3を超えてしまうと、音が割れてしまう可能性があります。テープによっては、多少超えても問題ないこともありますが、慣れないうちは目安通りに設定すると良いです。慣れてきたら、自分の耳で限界にチャレンジしてみるとよいでしょう。

録音レベルの目安は、メーカー・機種によって異なりますので、お使いのカセットデッキのメーターを確認してみましょう。もし、取扱説明書があれば、取説を読むと確実です。

 

 

それでは、正しく録音レベルを設定して、録音をしたときの音を聞いてみましょう。

♪最適な設定で録音(WAV形式 5.80MB)

こんな風に録音出来れば、上手く録音されていると思ってOKです。

 

 

 

続いては、悪い例です。

録音レベルが小さすぎては音の迫力が出ませんし、大きすぎては音が割れてしまいます。

実際に、悪い例を音で聞いてみましょう。

 

♪録音レベルが小さすぎる時(WAV形式 5.88MB)

小さすぎると、ノイズが聞こえやすくなります。やはりノイズが大きく聞こえてしまうと、せっかく録音した曲を聞いていても、ノイズが耳障りになるかもしれません。

カセットテープにおけるノイズは、ヒスノイズとよばれ、録音されていないテープを再生すると「シー」という音が聞こえてきます。出来るだけ、ノイズが目立たないようにレベルを設定することがポイントです。

 

 

♪録音レベルが大きすぎる時(WAV形式 6.17MB)

 

レベルが大きすぎてしまうと、今度は音が割れてしまいます。カセットテープには、録音出来るレベルの限界があります。その限界を超えたレベルで録音しようとしても、音を記録しきれません。

特に、重低音の強い曲は、音が割れやすいので、不安でしたら気持ち小さめで、+2あたりを狙って録音すると良いと思います。実は、カセットテープは、重低音にはあまり強くありません。

むしろ得意とするのは、人間が発する声や、楽器だとピアノといった、中音域です。ただし、過去に発売された高性能なテープですと、弱点を克服しているような物もあります。

テープ各々が個性を持っているため、使うテープによって最適な設定をする事が重要になってきますが、なかなか最初は難しいものです。

 

 

 

以上、今回は録音レベルの調整を取り上げました。

結局は慣れるしかない、という結論に至ってしまいますが、まずは今回の大きすぎず小さすぎずをしっかり覚えていただければと思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

続いて、バイアスの調整へ進みます。

 

 

第8回はこちら

 

 

 

今回、使用した音源は、魔王魂さまのサイトより、著作権フリーの音源をお借りしました。著作権フリーですので、ネット上でも実際にカセットデッキの音を聞いていただくことが出来ます。