こんにちは、こんばんは。西村音響店の西村です。
音響店のブログをお読みくださり、ありがとうございます。
今回は、レンタルカセットデッキを3台増やしましたので、そのお知らせです。
今回、追加したデッキは、
- Nakamichi 581Z
- SONY TC-K333ESL
- Lo-D D-E90
Nakamichi 581Z
ナカミチは、昨年の夏ごろから修理を始めましたが、電気系統に色々と異常がありました。
ノイズリダクションを掛けると、音の息継ぎ現象がひどかったり…
メーターの振れ方がピョンピョンと跳ね上がったり…
録音が上手く出来なかったり….
最も劣化が早い電解コンデンサーを全部交換しても直りません。劣化したフィルムコンデンサーとオペアンプまで取り替えて、やっと完成に漕ぎ着けました。
581Zのノイズリダクション基板です。コネクター接続で簡単に脱着ができます。
この基板だけは、フィルムコンデンサーまで取り換えることになりました。どうやら、オレンジ色のフィルムコンデンサーが不良になっているようで、交換したところ直りました。
ただ、ドルビーは録音や再生で誤差があると音質に影響してくるので少し厄介です。念のため他のコンデンサーも交換しました。
ドルビマークの付いたICが4つ実装されているのは、初期型のドルビーCである象徴です。581Zは1981年ごろのデッキで、ちょうどドルビーCが実用化されたばかりです。この頃は、ドルビーB用のICを2つ連結してドルビーCとしています。
他に僕が確認しているものの中でこのようなデッキは他に、SONY TC-K555、AKAI GX-F71があります。
交換したコンデンサーは、電解が110個、フィルムが39個でした。
こちらは、メーターがぴょんぴょん跳ねる様子です。ホワイトノイズを入力すると、このような現象が起きていました。
そこでメーター用の回路を中心に原因を探っていくと、オペアンプが壊れていることが分かりました。メーターへ出力される信号をスピーカーにつなげてみると、ノイズだらけの音でした。
不具合の多かったナカミチの581Zですが、ようやく本領を発揮できるようになりました。
SONY TC-K333ESL
TC-K333ESLは、単に修理しただけではなく、再生アンプに贅沢な部品を使った仕様となっています。
333ESLは、カセットデッキの中では王道な機種の1つで、中古でもよくお目にかかると思います。ですので、部品にちょっと一味加えてみました。再生アンプには、1本600円近いPARC Audioの電解コンデンサーが付いています。
録音イコライザーを調整できるので、メタルテープへの録音には強い1台です。電気屋では売ってませんが…(笑)
メタルテープへ録音するときは、あまりバイアスを調整しない方が良いです。少し浅くするだけで歪みやすくなることが多々あります。ですので、イコライザーを調整できるデッキは録音で非常に便利です。
333ESLをはじめ、同じ年代のソニーのカセットデッキに多いのが、このボタン不良です。
停止を押したのにテープが動いてしまうという、「言う事聞け!」と叫びたくなるような不具合ですね。
しかし、いくら叫んだって直りませんから、素直にボタンを新品に交換します。
交換した電解コンデンサーは99個でした。2世代あとのTC-K333ESJになるとドルビーSが付くため、20個くらいコンデンサーが増えます。
Lo-D D-E90
御年39歳で、来年はいよいよ40歳になります。
アナログ式のVUメーターが特徴の3ヘッドデッキです。
以前に少しこのデッキを紹介していましたが、電子部品の交換も終えて完成しました。
メインの基板+メーターの基板の2枚構成というシンプルさに少し驚きましたが、こんなものでも良い音を出してくれます。超高音域が出すぎないので、曲のジャンルを問わず聴きやすい1台だと思います。
録音については、意外にも現在のマクセルURと相性が良いです。録音イコライザーが低めに設定されているので、バイアスを浅めにしないと録音感度が上がらないURにはベストだと思います。
逆にイコライザーを高くする必要のある、ソニーのMetal-ESは不向きです。マクセルかTDKテープを使うと上手く録音できると思います。
ちなみに、お持ちのカセットデッキの録音イコライザーを調べるには、ホワイトノイズを録音してスペクトルアナライザーで確認すると便利です。1~10kHzの部分が山であれば高め、谷であれば低めであることがわかります。
交換した電解コンデンサーは68個と、かなり少なめでした。これでも798(ナナキュッパ)クラスだそうです。
今後の追加予定デッキ
- TEAC C-3X
- AKAI GX-R60EX
- Technics RS-2630U
- YAMAHA KX-580
- YAMAHA KX-690
- ダブルデッキ1~2台
↓修理難航中だけど…↓
- AKAI GX-R88
- TEAC V-8000S
以上のデッキは、既に在庫で確保しており、メンテナンスを終え次第、ラインナップします。
それ以外に、「こんなデッキがあったらいいな」というリクエストがありましたら、
下にお名前(ニックネーム)と型番や特徴を入力してお送りください。
リクエストの状況をみながら、デッキを増やしていきたいと思っています。ご協力いただけましたら幸いです。
リクエストはこちらへ
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既にカセットデッキをお持ちの方は多いと思いますが、別のデッキで再生してみると音が違って聞こえます。
昔のテープを聞いて懐かしむと共に、カセットデッキの面白さも体験してみませんか?
今後とも、レンタルカセットデッキ『お試し音響店』をよろしくお願いいたします。