Beta-Hifi搭載のベーシックモデル、SL-HF507です。1986年製で、メカの構造はご覧のようになっています。例によって、STK5441電源ICが搭載されています。まずは、電源の確認から行います。
電源ランプが点灯しました。正常に電源が供給されています。
カセットの挿入口が、中途半端な状態になっていましたので、これはイジェクト機構にあるようです。一部の方はカセコンと呼んでいたり、また違う呼び方をしたりで、何と呼べばよいか困ってしまいますが、私が読んだ文献によると、「カセットホルダ」を記載されていました。今回はカセットホルダの名称を使用することにします。
まずは、カセットホルダの点検が必要です。本体から取り外しました。テープイン検出のスイッチにケーブルがあるので、コネクタを外しておきます。あとはネジ4本で固定されているだけですので、突起部分を避けながら上方向に取り外します。
右側面のカバーを外し、ギヤの部分を露出します。
ギヤ、金属のフレームなど、すべて取り外すと、このように分解することができます。グリスが付いていますので、汚さないように注意します。
カセットホルダの不良原因ですが、このギヤ割れです。ちなみにこのギヤ割れは、同じ構造のSL-HF900でもありました。プラスチックの経年劣化と、バネによる強い弾性力がかかって、割れてしまったと思われます。これに関しては、新しく部品を製造したほうがよいかもしれません。現在検討中です。ひとまず今回は、正常なギヤを他から流用して対処しました。
このあたりも少しずれて、ローディングがうまく出来ていなかったので、補正しました。もしかすると、前ユーザーさんがテープが取り出せなくなって、無理やり出そうと試みたかもしれません。カセットホルダが不良を起こしてますので、その可能性も否定できません。
メカ部分の組み立ては終了し、映像の確認をしましたが、映像が映りませんでした。基板を確認してみると、なにやら半田とジャンパで補修された跡がありました。この程度であれば、ジャンパ線を接続するだけで済みます。
しかし、再生しても何も映りません。再生どころか、外部入力の映像も出力されません。ちょっと症状が重いように感じます。
ですが、オシロスコープで映像信号を確認してみると、しっかり波形が出てきます。ディスプレイに接続したときに、波形が直線になってしまうという、不可解な現象です。
回路中にあるトランジスタも交換してみたりはしましたが、症状は改善せず…少し考える必要があるようです。間違って電気部分を弄ってICなんかを故障させている、なんていう症状は勘弁してほしいです…