西村音響店

SONY SL-F1 ポータブルベータデッキ RCA入出力の対応化改造 

 

メカ点検からの続きになります。

(メカの点検はこちら

それでは本題のRCA入出力に対応させる改造に入ります。

黄色の部分が、アダプタを接続する端子です。使用する信号の端子は、

1・2・10・14・17・23・25

順に、入力切替、PCMモード切替、音声入力、音声出力、映像入力、映像出力です。

海外のページですが、こちらに詳しい解説があります。
http://vintage-technics.ru/Eng-Sony_SL-F1E_TT-F1E.htm

試しにテープを再生して25番ピンの出力を、オシロスコープで見てみましょう。

確かに映像信号が出力されています。また、17番の信号をアンプにつなぐと、音が出ました。それで、どのようにして信号をRCAに分岐させるかですが、まず始めに、専用アダプターの内部を確認しておきます。

補修後でコンデンサーを新しいものに交換していますが、殆ど端子を変換しているだけで、能動素子はありません。映像出力にコンデンサを噛ませばOKということになります。

コネクタを一度外します。基板の裏から配線すると、後に配線処理で困ります。また、RCAケーブルを取り付けるにあたって、RF端子は取り外しになります。そのためVHF出力は使用できなくなります。

コネクタを取り付けた時に、少し隙間ができますので、そこを利用して、コネクタの足に直接半田付けします。ただし映像出力は、コンデンサを途中に挿入する関係で、直接接続はしません。

取付け後です。コンデンサは、上に映像処理基板が来ますので、干渉しないように上手く避けておきます。

映像出力は画像下の方、黄色の丸の部分から分岐させました。これを後の組立てに邪魔にならないように配線し、表へ持っていきます。表に回してから、先ほどのコンデンサを直列につなぎ、RCAケーブルに出力します。グランドは、取りやすいところであれば、どこでも大丈夫です。

1番ピンは入力信号の切替スイッチで、RCAからの入力の時は1番ピンをグランドに落とす必要があります。ですので、1番ピン-グランドでジャンピングしました。

2番と10番を、10kΩの抵抗で接続していますが、PCMプロセッサを使うとのことで、接続してON状態にしました。オープンでも映像自体は映ります。

ケーブルが遊ばないように、ゴムパッキンを利用して結束します。コネクタに配線を取り付ける前に、金属と樹脂のパネルを先に穴にケーブルを通して置かないと、RCAのプラグが穴に通らないので、厄介なことになります。

組立て後です。この様に元RF端子の穴から、上手くケーブルを引きだせました。他の方法として、パネルを加工してコネクタを取り付けるなどの方法も考えられますが、純正へ戻せるようにしようとすると、今回の方法が最善です。

イジェクト部分のパネルを取り付けます。

以上で完成です。

背面はこのようになっています。アダプター用のコネクタも取り外しておらず、且つアダプターも使用可能という設計になっています。動作の様子がこちらです。RCAケーブルでの再生・録画、そしてアダプターでの再生を行っています。



今回の作業費用は、¥17,000のコースです。改造作業はイレギュラーで基本の作業料金に加え、別途改造費用を頂戴しますが、可能な範囲で対応します。

特に今回、RCAケーブルを取り付けたことで、一般的なビデオデッキと殆ど同じように使うことが出来るようになりました。他にも改造によって、メリットが生まれるような事があれば、積極的に紹介したいと思っています。
 

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