高温多湿から守ればカセットテープは長期保存できる。

 

 

皆様こんにちは、西村音響店の西村です。

 

カセットデッキの基礎を学ぶ「カセットデッキのいろは」シリーズ、第13回でございます。

 

第10回、第11回、第12回の3回にわたって、カセットデッキのお手入れの方法をご紹介しました。テープと接触する部分、ヘッド、ピンチローラー、キャプスタン、この3つは何時も綺麗にしておきたいですね。特に、録音する前には、しっかりと掃除して、より綺麗な音を録音しましょう。

 

さて今回は、カセットテープの話題に切り替えて、大事なカセットテープを、より良い状態で保存する方法をご紹介します。

 

最初に、カセットテープを状態良く保存するための3つのポイントをお伝えおくと、

1.高温多湿を避ける

2.テープを全部巻き戻す

3.ケースに入れる

 

この3つを押さえていただければ、長期間保存しても、カセットテープを良い状態に保つことが出来ると思います。

 

 

 

まず、高温多湿を避けることは、一番重要なポイントです。

カセットテープには高温多湿が大敵です。高温の環境ではテープが伸びてしまったり、湿度の高い環境ではカビが生えてしまったりなど、どちらも良い事ではありません。

高温から守るには、直射日光が当たらないようにすることが良策です。日光の当たらない空間に保存しておくのがベストでしょう。

いくら、段ボール箱に入れているからといいて、その段ボール箱が日光に当たってしまったら、箱の中まで温度が上がるので、温度が上がりにくい部屋に保存するのが良いと思います。

 

 

そして、湿気から守るには、箱などに入れて密閉して保存することが大切です。新聞紙や乾燥剤など、湿気を吸い取ってくれるものを一緒に入れて保存しておくと安心です。

カメラのレンズも湿気にさらされて、カビが生える事と同じで、カセットテープも湿気にさらされたら、カビが生えてしまうかもしれません。

もし防湿庫があれば、完璧です。ただ、そんな物を導入する余裕がないかもしれませんので、カセットテープを新聞紙に包み、段ボール箱に入れ、暗室に保管すすれば、高温多湿から守れると思います。

 

 

 

さて、次のポイントは、テープを全部巻き戻すことです。

こんな風に、テープが途中になったまま保管していませんか?

テープが途中の状態ですと、音が記録されている磁気テープの部分が、表に露出するので、先ほどの高温多湿の影響を直接受けます。

カビが生えやすいのも、このテープが露出した部分です。もう少し別の言い方をすると、空気に触れている部分はカビが生えやすい、ということになると思います。

 

再生が終わったら、最初もしくは最後まで、巻き戻すようにしましょう。

今日のデジタルデータだと、巻き戻すという概念がないので、「巻き戻す」という言葉が段々と死語になっていくのかもしれませんね。ラジオを録音する「エアチェック」みたいにです。

 

全部テープを巻き戻すと、透明なテープが露出します。

この透明なテープを、リーダーテープと呼びます。全部巻き取ることで、リーダーテープが磁気テープの部分を保護してくれます。

カセットテープに限らず、ビデオテープなど、殆どの磁気テープにはリーダーテープが付いています。

リーダーテープが出ている状態にしたら、付属のケースに入れて保管しましょう。

 

しかし事情によっては、巻き戻していると便利が悪いといった時もあると思います。たとえば、カラオケの稽古で、途中から始めたい時、一度巻き戻してしまうと、また始めるときに、途中の場所を探す必要があります。

正直、一々探していると面倒ですし、あまり小刻みに、巻戻し、早送りを繰り返しても、テープが引っ張られるので、ダメージを与えてしまうことになります。

そういったときは、巻き戻さなくてもOKです。私自身も、もしそんなシチュエーションに出くわしたら、面倒に感じると思います。

 

 

最後は3つ目のポイント、ケースに入れる事についてです。

 

先ほど、巻き戻した後は付属のケースに入れて保管する、とご紹介しました。今度は、複数のテープをまとめて入れておく方法です。

付属のケースと、まとめて入れておく大きなケース、二重にすることで、埃から守る効果が得られます。

 

ところで昔は、こんな引き出し型のケースがありました。

これは祖父の物で、中に懐かしいテープがぎっしり入っています。ケース本体も木製で、とても豪華な物だと思います。

オークションをのぞいてみると、稀に同じケースが出品されている事があります。もし、こういった豪華なケースに興味がありましたら、オークションを覗いてみてください。

 

 

こんな古いカセットテープも健在しています。

1970年代の物ですが、普通に再生できます。40年も前の音を聞けるのも、カセットテープの魅力です。

アナログかつ物理的に音を記録することで、デジタルの様に、データがちょっとでも壊れて再生不可能になるという心配も少ないでしょう。

 

長期保存をするのであれば、こんな豪華なケースでなくとも、段ボール箱と新聞紙があれば十分だと思います。

もし、長期保存ではなく、逆に持ち運んで頻繁に使うのであれば、小さいケースが良いですね。

 

こちらはダイソーさんで販売されているケースで、フタ付きというところがポイントです。

私自身、百均のケースはとても重宝しています。

フタがあることによって、埃から守る効果と、完全ではありませんが湿気から守る効果が期待できます。

また、取っ手が付いているので、持ち運びにも便利です。例えば、カセットデッキを複数台お持ちで、デッキがそれぞれ違う部屋にある時には、聞きたいテープをケースに入れて、楽に持ち運びができます。

 

しかもこのケース、カセットテープのサイズにピッタリで、丁度いいんです。

厚みのあるケースだと、12本入ります。薄型のケースだと、もう1~2本入ると思います。

 

 

百均って、作りが安っぽいイメージがあると思います。フタの開け閉めを繰り返しているうちに、画像のようにフタが無くなってしまう、なんてこともあります。

元々このケースには蓋がありましたが、蝶番(ちょうつがい)の部分が、切れてしまい、外れてしまいました。

 

しかし、今回ご紹介のケースは、樹脂製ですが、しっかりとした蝶番で、フタの開け閉めを繰り返しても大丈夫なようになっています。

これなら、開け閉めを繰り返しても、フタが無くなる心配は無いでしょう。カセットテープを使う方なら、テープを交換するたびにケースを開けるでしょうから、何回も開け閉めすると思います。

もちろん100円です。

百均以外にも、いいケースが販売されているかもしれないので、探してみる価値はあります。

たまたま、百均が好きなことと、百均の店が近いこともあって、よく使っています。

 

 

いかがでしたでしょうか。

カセットテープの保存には、いかに高温多湿から守ってあげるかが重要です。

音響店を始める前、アルバイトでビデオテープの修理をやっていて、カビを取る仕事をしておりました。大量にテープがある中の多くが、空気と触れている部分にカビが生えていました。

 

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。