カセットデッキの修理やメンテナンスだったり、動画やブログの制作で読者さまから借りたりするときに、宅配便は欠かせません。
しかし、カセットデッキはご存知の通り『精密機器』です。そこで最も気を付けなくてはならないのが、
輸送事故
僕も過去に数回遭ったことがあります。デッキの外装が破損したり、もっと酷いものは中の基板が割れている事もありました。今になって振り返ってみると、この場で言うのもアレですが、以前は梱包が甘かったと思っています。
それ以来、プラスチック製のコンテナを導入するなどの新しい梱包方法を考案し、現在進行形で改良しています。
今回は、僕が実際に行っている段ボール箱を使った梱包方法をご紹介します。今年(2021年)から採用している最新の方法です。
いつも当サイトをご覧いただいてる方はもちろん、個人売買でどうやって梱包したらよいか悩んでいる方も、ぜひ参考にしていただければと思います。
※梱包方法は随時進化していますので、後に新しい手法が考案される可能性もあります。その際は改めて紹介したいと思います。
目次
用意するもの
ダンボール箱
一番気になるのは大きさだと思います。宅配便でカセットデッキを送る場合、ベストな箱のサイズの目安は、幅55センチ前後、奥行き40センチ前後、高さ25センチ前後です。
宅配便のサイズ区分としては、3辺120センチまたは140センチが目安になります。サイズには適度に余裕を持たせましょう。送料を安くしたいがあまりに、窮屈に梱包するのは危険です。
僕が使っているのは、幅と奥行き共に55センチ、高さ25センチで、ちょうど宅配便の140センチの区分に収まります。ただ、この箱は若干変わり者で、元々はテレビなどを入れる縦長の箱です。これを横向きで使います。
厳しいことに、カセットデッキに丁度よいダンボールが少ないのが現状です。高級機種になると奥行き40センチでは足りなかったり、サイズは丁度良くてもデッキが重くて強度不足だったりするなど、箱選びには苦労しています。コストパフォーマンスも重要なポイントです。
ダンボールシート
91センチ四方のタンボール板です。これを4枚に切り出して使います。モノタロウで40枚セット3990円+税です。
もちろん40枚なんて普通は要らないでしょうから、適当なダンボールをカットするもの良いです。ただし、適度に厚くて強度があるものでないと、デッキの重量でつぶれてしまう恐れがあります。
エアキャップ
俗にいうプチプチです。(ちなみにプチプチは川上産業さんの登録商標)
プチプチには様々な強度のものがラインナップされています。どれを選べばよいか迷うところですが、カセットデッキは重量物で精密機器ということで、最も頑丈な3層構造のものを使っています。川上産業さんの型番でいうと「d42L」です。
1台当たり、120センチ四方のプチプチを3~4枚使います。
小袋に入った発砲スチロール緩衝材
ハイタッチという商品名で販売されている緩衝材です。通販でもよく使われているので、見たことがある方も多いと思います。今回は6袋使います。
ホームセンターに行くと1袋ずつ小売りされていますが、単価は150円前後とやや高めです。
布テープ
重量物用の布テープを使います。安定の男前モノタロウ。強度や粘着力は申し分ないです。紙製のガムテープやセロハンテープは、粘着力に劣ることと重ね貼りがしにくいことから使っていません。
クロステープ
プチプチに貼るためのテープで、養生テープのような見た目をしています。こちらはDCMブランド。布テープは強力すぎてしまうので使い分けています。
マスキングテープ
マスキングテープでなくとも、セロテープでOKです。(マスキングテープを使う理由は後ほど) プチプチでデッキを包むときに、仮留めをするためのテープになります。
プチプチでデッキを包む
包む前に悩むのがプチプチのサイズです。基本は120センチ四方でOKです。ただし、サイドウッドやラックマウントが付いていて幅が大きい場合は、120センチ×140センチと幅を大きめにします。
用意できたらプチプチを2つに折ります。ここが重要なポイントです。2つ折りにしてプチプチを二重で包む格好にします。
2つに折りたたんだプチプチを広げ、その上にデッキを置きます。置く位置は画像を参考にしてほしいのですが、テープを貼る位置がちょうどデッキの前面辺りに来るようにします。
この状態からプチプチに包んでいくと、ちょうどデッキの前面で二重になったプチプチがさらに二重になります。こうすることで、最もデリケートなデッキの前面部分を重点的に守ります。
画像のようにデッキの上側でテープで留めることができればベストです。手を滑らせて落下するなどの余計なリスクを回避するために、極力デッキを持ち上げあげずに梱包することもポイントになります。
デッキの上面と前後を包めたら、一旦マスキングテープで留めます。もちろんセロテープでもOKです。マスキングテープを使っているのは、開梱しやすいようにテープを貼った位置を目立たせているだけです。この段階ではまだ仮留めの状態で、この上からクロステープを貼ります。
続いて、デッキの側面も包んでいきます。デッキの前側はプチプチが4重の状態になっていて包みにくいですが、上手いこと仮留めをします。仮留めができたら、先ほどと同じように上からクロステープを貼ります。
最後にもう1回、デッキの上面にクロステープを貼ります。今度は、先ほど貼ったテープの上に重ねて貼るほか、デッキの後ろ寄りの部分にもう1枚テープを貼ります。
最も重要なポイントは、プチプチを二重にして包むことです。箱の形状によって梱包方法は変わってきますが、これだけは是非やっていただきたい梱包方法です。
デッキを固定するための仕掛け
続いてはデッキが箱の中で暴れないように…、もとい、動かないようにするための仕掛けを作っていきます。
まずはダンボールシートを、54センチ×38センチの大きさに切りだします。91センチ四方ですが若干大きめに作られていますので、別に計算が間違っているわけではありません(笑)
ちょうど1枚のダンボールシートから、同サイズのものを4枚切り出すことができます。
それでは地面からの衝撃を守るためのクッションを作っていきます。
用意するものは、先ほど切り出したダンボール2枚と、小袋の発泡スチロール緩衝材(ハイタッチ)6袋です。
切り出したダンボールの上にハイタッチを敷き詰め、その上にもう1枚のダンボールを被せます。ちょうど2枚のダンボールでハイタッチを挟む形ですね。
このような形にできたら、四方にクロステープを貼って固定します。
座布団みたいな恰好になればOKです。この上にプチプチに包んだデッキを乗せます。
デッキを乗せたら、座布団とデッキをクロステープで固定します。こうすることで、輸送中にデッキが箱の中で動いてしまうのを防げるほか、デッキの重量を分散させて箱への負荷をへらすことができます。
ちなみにこの梱包方法、ヒントを得たのはアマゾンから届く荷物です。
ダンボール箱にデッキを納める
いよいよデッキを箱に入れます。箱を組み立てたら、まずは奥にプチプチをぐるぐる巻きにしたものを入れます。
目安としては、120センチ四方のプチプチをさらに半分にカットして、ぐるぐる巻きしたクッションを2個作るといった具合です。
奥にクッションを入れたら、デッキを納めていきます。座布団とデッキを固定したお陰で、持ち上げずにスライドさせるような感じで入れることができます。
デッキを収めることができました。しかし、箱の中にはまだ隙間がありますので、埋めるようにクッションを入れていきます。
隙間が小さければぐるぐる巻きにしたプチプチで間に合います。もし埋めるスペースが大きい場合はこちらを作ります。
通称、枕(まくら)。
作り方は簡単です。お好みのサイズにプチプチをカットし、2辺にテープを貼って封筒状にします。封筒状になったらその中にぐしゃぐしゃにした新聞紙を詰め込み、残りの1辺をテープで閉じるだけです。
これを作って、隙間をしっかり埋めます。STEP2で使ったハイタッチは1袋ずつバラで買うと値段が高いので、枕で代用するのもOKです。
完成!
最後に布テープで封をすれば完成です。
開封するときは、隙間を埋めているクッションを取り出し、デッキを手前にスライドさせて箱から出すだけです。輸送事故から守るために頑丈に梱包することも重要ですが、あわせて開封のしやすさも考慮しています。
最後に気になるのは梱包にかかる時間ですが、実は20~30分かかっていたりします。長いか短いかは人それぞれかもしれませんが、正直、大変です(;´・ω・)
一応ですが、各運送会社のサービスには損害賠償制度があります。ただ、いくら賠償されるからといっても、希少なカセットデッキには少なからずお金に代えられない部分がありますよね。
そう思うと、できる限りの対策をして万が一の事から守りたいものです。
今回は段ボール箱を使うという点を重きに置いて紹介しました。もし何度も繰り返し使うことを重点にする場合は、プラスチック製のコンテナを使うようにしています。特にカセットデッキのレンタルでは、往復で宅配便を利用するだけでなく、たくさんの方が利用するので宅配便で運ぶ機会が何度もあります。
これまで利用したの宅配便の回数を振り返ると150回くらいになりますが、今のところ輸送事故の報告はゼロです。物理的な強度はダンボール箱に比較にならないくらい強いですが、重そうな外観をまとうことで配達員さんが慎重になるといった心理的な効果も期待できます(笑)
ではまた(・ω・)ノ